人は死んだらどうなるのか?

斉藤弘子著 言視社(161/Sa25)

生まれてきたからには誰でも死ぬことは避けられない。死んだらどこへいくのか。古今東西、「死」は人間にとって大きな関心事であった。本書には様々な民族や宗教の死生観が綴られており、なるほど、ところ変われば死に対する考え方も随分と違うものであると感じた次第である。これらを知ることで、少しでも死への不安が軽くなることを願う。(Y)

 

戦後新聞広告図鑑

町田忍著 東海教育研究所(674.6/M)

昭和20年の終戦直後から昭和40年頃までの新聞広告を満載。洗濯機・テレビ・インスタントラーメン...。ページをめくれば、当時の人々の生活ぶりが見えてくる。まさに広告は時代をうつす鏡ともいうべきもの。若い人には面白くて物珍しく、その時代を生きた者には懐かしく...。読んで、見て楽しい1冊。(Y)

 

犯罪の世間学:なぜ日本では略奪も暴動もおきないのか

佐藤直樹著 青弓社(368.6/S)

犯罪は少ない方がいいし、落とした財布は戻ってくる方がいいに決まっている。日本はそうした安全な国だと言われている。だが、その理由が目に見えない監視カメラ、つまり「世間」とか「人様」と言われるような無言の圧力によるものだとしたらあまり気持ちのいいものではない。それは場合によっては別の形での犯罪を誘発するかもしれない。「世間」の基準から少しでも離れると徹底的に排除される。身についた思考パターンを変えるのは難しいが、まずは自分も「世間」の一員であることを認めることか。(M)

 

激安食品の落とし穴

山本謙治著 KADOKAWA(498.5/Y)

TPP、自給率の低下、後継者のいない農業、食品偽装・・・。私たちはいったい何を食べたらいいのか。厳しい経済状況の中で消費者は少しでも安いものに手を出す。その気持ちはわかる。しかし、著者は今の状況を作り出した責任の一端はこうした安いものに手を出す消費者にもあるという。まわりまわって自分の首を絞めているのだ、と。本書を読んでいちばん心に刺さったのは「現在の食料自給率は欲望の反映である」という言葉だ。欲望とは食べたいものを食べるということ。私たちは食べものについてももっと「倫理的」にならなければならない。   (M)

 

図像学入門:疑問符で読む日本美術 

山本陽子著 勉誠出版(702.1/Y)

光源氏や紫の上は絶世の美男美女だったはずなのに絵巻物の中では「なんであんな顔?」。一級の美術作品のはずなのに、感動できないのはなぜ?日本美術の作品を前にし、しばしば抱く「本音の」感想と疑問には実は理由があり、また研究の対象でもあったりするいうことも分かり、具体的な作品の解説を読み進むにつれ、作品の本当の面白さや見事さが分かってくる楽しい本。   (A) 

 

ぼくたちは戦場で育った:サラエボ1992-1995

ヤスミンコ・ハリロビッチ編著 集英社インターナショナル(239.3/H)

ユーゴスラビア紛争中の首都サラエボの包囲戦の死者は1万1000人に及んだ。その中には多数の子ども達も含まれていた。生きのびて大人になった「戦時下の子どもたち」からのメッセージがSNSを通じて集められた。絶えずスナイパーに命を狙われる死の恐怖、他愛ない子どもでいられなかった過酷な日常の日々の記憶。それらは今まさに戦禍にある子ども達からの心のメッセージでもあるだろう。(A) 

 
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