100字でおすすめ!

新しく入った本の中から、これはぜひ!と思う本をスタッフが選び、100文字で紹介しています。これらの本は文庫棚の上に並べておりますので、まずは手にとってみてください。

地図帳の深読み

今尾恵介著 帝国書院(448.9/I)

最近の中学や高校で使用される地図帳は、環境に配慮したインクを使用していて、環境・資源・領土問題だけでなく、自然災害のハザードマップまで載せているらしい。この本は、大正から平成までの帝国書院の地図帳を参照している。川の流れなどの地形に関することから、報道でよく見聞きするアフガニスタンの首都「カブール」の地名由来や、日本の他県に紛れたとても小さい飛地まで、誰かに話したくなる身近な話題もある。家で眠っている地図帳を読み返してみては?(T)

 

生き物の死にざま

稲垣栄洋著 草思社(481.7/I)

ゾウは死期を感じると群れを離れ、ひっそりと死ぬという「象の墓場」伝説は誤りで人間が自分たちの死に対するイメージから作り出したものである。とはいえ、本書で語られる様々な生き物の死にざまを読むとやはりそこに「人間として」哀れをもよおしたり、人間の一生と重ね合わせたりしてしまう。例えば、アカエイカは卵を産むために命がけのミッションを遂行する。それを思えば私の血の1滴や2滴吸われることなんて大したことではない、とは思えず、やはり見つけたら叩いてしまうだろう・・・。(M)

 

「誉れの子」と戦争:愛国プロパガンダと子どもたち

斉藤利彦著 中央公論社(210.75/S)

戦死した父のことを思いっきり嘆き悲しむのが当然の子どもたちに、国のために死んだことは名誉だ、感謝だと言わせ、そのように思い込ませる。それを見させられる国民はそのけなげな様子に感激し、結果として全国民がますます戦争遂行に協力する。一方で遺児たちは「誉れの子」と言われても何ら支援を受けるわけでもなく、父親という大黒柱を失った家族を支えなければならなかった。このような「子ども」の利用は現代でも様々な形で続いている。(M)

 

日本の水道をどうする!? : 民営化か公共の再生か

内田聖子編著 コモンズ(518.1/U)

日本では、水道から水が出ないことの方が異常なこと、と思えるくらい水道がしっかりと整備されている。しかしそれも、水道法の改正や民営化が可能になったことで変化しようとしている。自分たちの生活用水を守るために、維持していくために、見直しが必要なときのようだ。(C)

 

海洋プラスチック汚染:「プラなし」博士、ごみを語る

中嶋亮太著 岩波書店 (519.4/N)

地面におちているレジ袋を「いま」拾わなければそれは海のプラゴミになる可能性が確実にある。だから拾うという選択は待ったなし。そのような行動の積み重ねを怠っていると、数十年のうちに海のプラスチックごみは海中の魚と同量になってしまうかもしれない。プラゴミを食べた魚は確実に私たちの食卓に乗り体内に取り込まれる。こうした待ったなしの海のプラゴミ汚染をその現状と原因についてわかりやすく解説し、捨てないライフスタイルや捨てない仕組みのデザインなどの解決策も提案する。著者のWEBサイト「プラなし生活」も参考になりそうだ。(A)

 

僕らはそれに抵抗できない:「依存症ビジネス」のつくられかた

アダム・オルター著 ダイヤモンド社(493.7/A)

「依存症」は特別な人がなるものではない。アプリやプラットフォームの多くは、必ず心を満たす体験を得たくなるような仕組みに、つまりは「ネット依存症」になるためにデザインされているといっても良いくらいだからだ。「目標」「進歩度」「難易度」がスコア化されゲームのスコアは言うにおよばず、仕事の成果も個人のトレーニングでも、目標スコアを「クリア」する達成感を絶えず追い求めてしまう新たな「依存症」も紹介されている。日常そのもののなかに隠れている「依存症」の存在にまず驚くが、その仕掛けや対処法にも言及している。(A)