100字でおすすめ!

新しく入った本の中から、これはぜひ!と思う本をスタッフが選び、100文字で紹介しています。これらの本は文庫棚の上に並べておりますので、まずは手にとってみてください。

ミツバチと文明

クレア・プレストン著 草思社(486.7/P)

人類が蜂蜜を食べた最初の記録が現れたのは1万年前。養蜂がエジプトで始まったのは紀元前2400年。ミツバチと人間の付き合いはこのように長く、蜂蜜の恩恵だけでなく、農作物の授粉でもミツバチのお世話になってきた。そんなミツバチが今、人間のせいで危機的状況にある。巣箱からの大量失踪は農薬が原因といわれている。遺伝子改変にもさらされ、生息地もなくなりつつある。ミツバチが消えたら、地球は荒廃してしまうと著者は警告している。豊かな実りをもたらし、人間の生命を支えてきたミツバチの長い歴史をひもといてみよう。(M)

 

愛される街:続・人間の居る場所

三浦展著 而立書房(361.7/M)

「住んでみたい街ランキング」のようなものをしばしば目にするが、街の魅力とは何だろう?何を重視するかは人それぞれ。本書ではそれを「愛される街」と定義して、子育てや介護、コミュニティ作りといった観点から様々な事例を紹介している。人々が住み続けたいと思い、その街に関わっていく-そんな場所がこれからの「人間の居る場所」になっていくのではないか。 (M)

 

 

鳥獣戯画の国: たのしい日本美術

金子信久著 講談社(721.2/K)

人間のようにふるまう動物は、現代でもマンガやご当地キャラなど日本では珍しくない。ふだんは意識しないけれど、全く違和感がないのも不思議といえばふしぎ。しかしこの本のページを次々とめくるだけで、すぐその理由がわかるはず。鳥獣戯画の遺伝子を時を超えて受け継いだ、沢山の愛すべき動物たちにぜひ会ってやってください。(A)  

 

目の見えない私がヘレン・ケラーにづづる怒りと愛をこめた一方的な手紙

ジョージナ・クリーグ著 フィルムアート社(289.3/K)

苦手な偉人伝もヘレン・ケラーは別だったのだが・・・。その「ヘレン・ケラー」の「模範的障害者像」が障害者当事者たちにとってどれだけの重い「呪縛」であったか。気づかずに読んでいた自分にもショック。「悪霊」と表現するほどのヘレンに対する著者の激しい怒り。しかし実はヘレン自身も「自画像」に自縄自縛のだったのでは?とも著者は思い至る。「怒り」なくしては開けない新たな扉もあるのだ。(A)

 

「犠牲区域」のアメリカ:核開発と先住民族

石山徳子著 岩波書店(539/I)

北米大陸の先住民族として知らない人のない「インディアン」の人々は、数世代にわたって環境汚染、とくに核開発の脅威にさらされています。本書は、土地を守ろうと声を上げる人々の現状と歴史的背景を、彼らの声を聴く立場から解き明かしています。BLM(Black Lives Matter)にも通じる問題の所在がはっきりと見えてきます。 (T)

 

植物園の世紀:イギリス帝国の植物政策

川島昭夫著 共和国(470.7/K)

ロンドンにある王立キュー植物園の大きなガラス温室(パームハウス)が5年の歳月と60億円をかけて改装されたのが2018年、その壮麗な姿をご覧になった方も多いと思います。本書は、その起源が近代イギリスの植民地経営にあったことを、植物園に関わった多くの人々の姿と共に描きだします。ありそうでなかった本、と言ってよい好著。副題に Botanical Garden 1759-1820。 (T)