なぜ、男子は突然、草食化したのか : 統計データが解き明かす日本の変化

本川裕著 日本経済新聞出版社(351./H)

タイトルにもある男子の草食化。その謎を解くには男子だけではなく女子にも目を向ける必要があったり、意識的な部分や食生活についても統計をとることで見えてくることもある。目次から気になる謎を読んでいくと、意外な発見があるかもしれない。各章末には、統計の種類やグラフの選び方、公表されるデータのとらえ方など、統計のノウハウも分かり易く紹介している。ところで、カレーに入れる具は牛肉?豚肉?それとも鶏肉だろうか?(T)

 

草取りにワザあり! : 庭・畑・空き地、場所に応じて楽しく雑草管理

西尾剛著 誠文堂新光社(615.6/N)

草取りと言えば、生命力の強い雑草に悩まされ、良くないイメージの人もいるのでは。そんな雑草と言えど、かわいらしい花をつけるものや野菜やハーブまであり、この本を読めば悩まされるものとして見るだけなのは惜しいと思わされる。雑草の種類に合わせた草取り方法も教えてくれる、まさにワザありの一冊であり、草取りを楽しむために最適な図鑑と言える。(C)

 

お砂糖とスパイスと爆発的な何か:不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門

北村紗衣著 書肆侃侃房(904/Ki68)

批評されるとけなされたように感じる人は少なくない。また自分の好きなものを批評するというのは難しい。けれども批評することと非難することは違う。批評することによって嫌いな作品を「興味深い嫌いな作品」として楽しむこともできるようになる。批評にはいろいろな方法があるが、フェミニスト批評はそのひとつである。この本では小説、映画、芝居など様々なものが俎上にのせられていて、「あの映画が!」とびっくりすること請け合いである。  (M)

 

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ブレイディみかこ著 新潮社(372.3/B)

「さんざん手垢のついた言葉かもしれないが、未来は彼らの手の中にある」この本を読むと心からそう思える。「彼ら」は著者の息子やその友人たちだ。母親は日本人、父親はアイルランド人、住んでいるのはロンドン。彼は「エリート校」の小学校卒業後「底辺」中学校に進学する。経済的格差や人種差別などいろんな問題に直面するが、その解決方法はどれも読んでいる私の考え方がいかにこり固まったものかを思い知らされるようなものばかりだ。そして冒頭にあげた言葉を心の中で何回も繰り返すことになる。子どもは「ずんずん進んで変わり続ける」。見守る大人たちもつられて変われるに違いない。  (M)

 

ふるさとって呼んでもいいですか:6歳で「移民」になった私の物語

ナディ著 大月書店(334.4/N)

報道ではよく見聞きする「移民」。しかし私たちは「移民」と呼ばれる人たちの実際の生活をどれだけ知っているだろうか?両親につれられ6歳でイランから日本に来日した少女。それから28年、今は結婚し2児の母ともなった。異文化の中での学校生活、外国人としてのバイト、「特別在留許可証」を取得するまでの苦労、アイデンティティについての悩みなど、すべて成長していく少女の体験を通じて語られることで「移民であること」の日常がより身近に理解できる。(A)

 

鳥と人間の文化誌

奥野卓司著 筑摩書房(488/O)

表紙の絵(「白翁群鶏図」というタイトル)の面白さに惹かれて思わず手にとってしまった。鳥はこの絵のようにしばしば「花鳥画」の題材にもなればまた「フライドチキン」のような「食材」でもある。恐れや憧れの対象、季節の移ろいを知る「季節暦」でもあった鳥。本書は長い時を経て培われてきたこのような多様な「鳥と人間の関係」をまさに「鳥観」できる一冊だろう。(A)