種から種へ命つながるお野菜の一生

鈴木純文・写真雷鳥社 (626./S)

 身近な野菜の生育過程を、まるで本人(野菜自身)が語っているような写真と吹き出しで紹介し、また次の世代の種へと結びつけていく。野菜の形になるタイミングから、収穫の時期に種が完成していない植物が多いという驚くべき事実まで、食べているだけでは分からない世界を堪能できる。植物を育てる自信がない人も、何か作ってみようという気分になりそうだ。園芸の時間がさらに楽しくなるかも。(Y)

 

天体観測に魅せられた人たち 

エミリー・レヴェック著 ; 川添節子訳 原書房(442./L)

天文学者にとって、望遠鏡にかかわる時間は短く貴重なものだという。112名へのインタビューから生まれたこの本は、危険な生き物との遭遇、精密機器との闘い、自然との闘いといった天文台や天文学者に降りかかったありとあらゆる実話を教えてくれる。技術進化により近年は、遠くの安全なところから膨大なデータを観測できることが増えているので、このお話は貴重な記録でもある。まさに天体観測に魅せられた人たち(天文学者)の、とても魅力あふれる読みやすいエピソードばかりなので、普段科学の本を読まない人にもおすすめしたい。(C)

 

哲学の女王たち : もうひとつの思想史入門

レベッカ・バクストン、リサ・ホワイティング著 (102.8/Te86)

 紀元前400年頃から現代までの、さまざまな国の女性哲学者20人を取り上げ、その人生と功績に光を当てた良書。有名な哲学者の知られざる一面や、今を生きる私たちとの関わりについても書かれている。
 多様な生き方や思想の中に、心に留まる人が必ず見つかる。読み終わった時、新たな世界への扉が開かれている事に気づくだろう。豊富な文献リストや執筆者たちの紹介欄が、その先の道案内になっている。(N)

 

10代のための読書地図  

本の雑誌編集部編 本の雑誌社 (019.5/J)

  本との出会いはタイミングがあり、その本が存在する前に大人になってしまっている場合もある。もっと若い時に出会っていれば・・・。タイトルの「10代のための」とはそんな意味もあるのではないか。本えらびの達人たちが選んだ本たちが面白くないわけがない!10代でなくても絶対面白い本を読みたい全ての人におすすめの一冊。(A)                            

 

中世  ファクトとフィクション   

ウィンストン・ブラック著 大貫俊夫監訳 平凡社 (230.4/B)

 ここでとりあげられている様々な「中世」の姿がみな「フィクション」であったこと自体にも「目からうろこ」だが、この本では「フィクション」であること、ファクトであることのそれぞれを説得力をもって裏付け、構成していく手順が非常によくわかる。論文やレポートのテーマを考える時にも参考になりそうだ。(A)