猫が歩いた近現代  化け猫が家族になるまで  

真辺将之著 吉川弘文館(645.6/M)

  猫はお好きですか? 「猫の歴史」とは人間の猫に対する眼差し、「猫を映し鏡にした人間の歴史」だと著者は語る。猫ブーム、愛護と虐待、猫肉、猫の食事の変遷、などなど、ただ「愛されていた」とは表現しきれない意外に複雑な猫と人間の関係が様々なテーマで明らかにされていく。(A)

 

目のみえない白鳥さんとアートを見にいく 

川内有緒著 集英社インターナショナル (706.9/K)

 目の見えない白鳥さんとアートを見にいく。目の前の作品を何とか言葉にして伝えようとする。すると・・・あれ?となりの友達が言っていること、私と全然ちがう!同じ絵を見ているのに・・・。もしかしたら世界そのものも全然ちがって見えているのかも?!なぜならこの絵も世界の一部分なのだから。「作品の見方はとてもパーソナルなもので」「その認識のずれを対話することで埋めることができる」(本文)のだ。この本を持って友人と美術館に行ってみよう。(A)

 

すごすぎる天気の図鑑 : 空のふしぎがすべてわかる

荒木健太郎著 KADOKAWA(451./A)

 地球温暖化の影響により、様々な天災が起きている。身近な雲や雪・氷の種類の分類から、近年頻繁に注意情報が出る竜巻、最近よく耳にする「線状降水帯」まで、雲や雨等のキャラクターや写真で分かり易く解説している。児童向けではあるが、大人も十分に楽しめる。「降水確率100%=大雨」ではない、「台風の予報円の大きさ=台風の大きさ」ではない・・・思わず「へぇー」と言ってしまうような情報が満載。(Y)

 

他者の靴を履く : アナーキック・エンパシーのすすめ

ブレイディみかこ著 文芸春秋 (304/B)

 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で話題となった「他者の靴を履く」とは、必ずしも同じ考えを持たない相手の立場を想像する行為を指し、共感や同情とは異なる。これを「エンパシー」と呼び、社会の様々な問題に対して有効なのではないかと説いた本。
 エンパシーの定義と解釈は多様であり、読む人自身が考えられるよう賛否両論を丁寧に解説している。アナキズムを知るきっかけにもなり、幅広い引用文献と一緒に読みたくなります。(N)

 

 

ちびまる子ちゃんの社会学

友原嘉彦編 古今書院(726.1/C)

長年愛されてきた「ちびまる子ちゃん」。その魅力を、文学・社会学・都市計画・音楽・ファッション・地域研究・薬学・観光学という、こんな視点から、と思うような角度からも深く掘り下げている。本書で語られている"さくらももこ"という、自分で道を切り拓いた一人の女性の生涯は、女性の生き方の一つのモデルとして、とても読み応えがある。(C)