すぐそばにある「貧困」

大西連著 ポプラ社(368.2/O)

最近、貧困に関する本の出版が増えたような気がする。貧しさゆえにおこる事件も多く、日本人の6人に一人が貧困状態にあるという。世界で第3位の経済大国といわれながらのこの貧困率の高さ。しかし、私を含め、そうしたことに対して見て見ぬふりをしてしまうことも多いのではないか。本書は、まだ20代ながら精力的に支援活動を行っている著者が、貧困の実態を記したものだが、まず現実を知ることから始めたい。(Y)

 

オオカミがいないと、なぜウサギが滅びるのか

山田健著 集英社インターナショナル(613.5/Y)

「オオカミ」「ウサギ」という書名だけでは何の本かわからなかったが、開いてみれば生態系に関する本であった。生き物は、強いもの(動物)が弱いもの(植物)の上にくるという生態系ピラミッドになっていて、その一番下に、基盤である土壌があるという。そしてその土壌は人間のせいで危機に瀕している。土壌がもたらす生物の多様性をいかに保つか、一般の読者にもわかりやすいように書かれている。(Y)