グリーンパワーブック:再生可能エネルギー入門

Think the Earth編著 ダイヤモンド社(501.6/T)

以前、学食に発電機付き自転車を置いて、食後に自転車をこいで発電するようにすればダイエットにもなるし一石二鳥、と冗談話をしたことがあるが、なんとアメリカにはホントにこのようなアイスクリーム店があるのだ。他にもブランコ遊びで発電など、楽しみながらエネルギーを作るアイディアがいっぱい。もちろん、風力や地熱発電のように大規模なものも紹介されている。身の回りで生み出される小さなエネルギーで暮らしていく社会は今よりもっとゆたかなものになるだろう。  (M)

 

「赤ずきん」のフォークロア:誕生とイニシエーションをめぐる謎

私市保彦・今井美恵著 新曜社(388.3/K)

誰もが知っている「赤ずきん」。子ども向けのほんの短い童話かと思っていたら、こうして1冊の研究書が出来上がるほど、奥が深かったとは! 主人公の女の子がかぶっているずきんの赤い色は何を意味するのか等、お話の裏に隠された様々な意味を探る。(Y)

 

本ってなんだっけ?:紙の本の未来を考える

森彰英+「週刊読書人」取材チーム著 ブレーン(023.1/M)

年々本を読む人が減ってきており、加えて、電子書籍の台頭も著しい中で、紙の本はこれからどうなってしまうのか? 本書では、不況にあえぐ出版業界や書店の現状を取材、厳しい状況の中で行われている新たな試みも紹介しており、紙の本の未来もそう暗くはないと、些か安堵したのであった。(Y)

 

「社会を変える」のはじめかた:僕らがほしい未来を手にする6つの方法

横尾俊成著 産学社(311/Y)

ついこの間の都知事選。あなたは投票に行きましたか?若者に投票してもらおうといろいろな工夫がされたものの効果はなかったような。今の社会には不満だ、といってどうすればいい?私一人投票してもどうにもならない-これが若者に限らず大多数の本音だろう。政治は自分とは縁のないもののように思える。一方で、お任せではなく自分たちの手で社会をつくっていこという動きもひそやかに始まっている。普通の大学生だった著者は区議になり、仲間と一緒に社会を変えるために活動している。読んでいると自分でも何かできそうという気持ちになってくる。 (M)

 

生きるためにつながる

石鍋仁美著 日本経済新聞出版社(361.3/I)

今の40才以下の世代には脆弱な現代社会を頼みとせず、つねに危機感を抱きながら自力で人生を切り拓いていこうという傾向が強くうかがえるという。そのような彼らのキーワードは、他者との横の「つながり」。「つながり」の動きは、仕事、暮らし方、住まいなどの生き方全般にとどまらず、学校、さらには国などの古い枠をも越えようとする。「つながり」で未来をも切り拓こうとする若い世代をルポし様々な事例を紹介する。(A)

 

本の逆襲

内沼晋太郎著 朝日出版社(020/U)

著者は、毎日イベントを欠かさず、「ビールを飲みながら本を選べる」書店を開業。それ以外でも本の面白さを伝える「ブック・コーディネーター」として様々な活動をしている。本とは読まれるものであることはもちろん、コーヒーとセットでも売られるし、葉書にもなり、遊ぶものであり、コミュニケーションの「ネタ」であり・・・。そもそも本とは商品なのか?・・・と著者の「本とは何か」の定義と可能性は広くかつ柔軟かつ前向き。その取り組みの姿勢は、本以外の事柄でも大いに参考になりそうだ。(A)