親元暮らしという戦略 : アコーディオン・ファミリーの時代 

キャサリン・S.ニューマン著 岩波書店(367.3/N)

ヨーロッパやアメリカでは、高校を卒業した子どもたちは親元を離れて自立する。成人になっても親と同居する未婚の子どもが多いのは、先進国では日本だけ、と思っていたが、そうでもないらしい。長引く不況など、専ら経済的な問題が原因だそうだが、この現象、国によって捉え方は様々。日本では否定的な意見が多いが、よその国ではどうか、比べてみるのも面白いかもしれない。(Y)

 

アメリカに渡った日本文化

寺澤行忠著 淡交社(319.1/T)

アメリカで、どんな日本文化が受け入れられているかを実地調査した本である。かの地でアニメや和食が流行っていることは知っていたが、他にも、俳句や日本庭園等、気がつかなかったものが一杯。そして、日本文化の広がりに寄与した多くの先人たち...。これからの日本の進むべき道についてヒントを与えてくれる。(Y)

 

「昔はよかった」と言うけれど:戦前のマナー・モラルから考える

大倉幸宏著 新評論(150.2/O57)

「昔はよかった」という言い方は「今の若い者は」と同じような気がする。その「昔」が時には昭和30年代だったり、戦前だったりするわけだが、本書では明治末から昭和10年代にかけての新聞・雑誌記事などを調べ、本当に人々のマナーがよかったのかを探る。例えば、図書館の本の扱いについてだと、数十ページ切り取られていたり、自分の意見を書き込んだものなど、現在図書館を悩ませている問題がすでに発生していたことがわかる。電車の中の迷惑行為にしてもほとんどが現代にも通じるものである。著者は、それでも昔よりも今の日本人はマナーがよくなっているし、「よかった昔」にかえるために道徳教育が有効なのかと疑問を投げかけている。(M)

 

危ないリニア新幹線

リニア・市民ネット編著 緑風出版(686.2/R)

リニア新幹線だと目的地までもっと早く行ける-それが何か?と、ツッコミたくなる。今以上に早く目的地に着けることがどのくらい重要だろうという感情論は別としても本書によればリニアには様々な問題がある。建設費だけでも5兆4000億円を超えるという巨額の費用がかかるが、採算がとれるのか、電源は原発だのみらしい、自然破壊、電磁波、大地震が来たらどうなるのか・・・などなど背筋の寒くなるようなことばかり。「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」というフレーズが思い浮かぶ。(M)

 

ウェブ社会のゆくえ:<多孔化>した現実のなかで

鈴木謙介著 NHK出版(007.3/S)

不特定多数のユーザーばかりでなく毎日会う友人もサービス内の「友人」として登録する、そんなソーシャルメディアの仕組みが、現実の人間関係をも「ウェブ化」していく。ウェブ社会ではリアルな空間も時間も人間関係さえも、ウェブ上の「現実」の資源となる。「リアル」と「ヴァーチャル」の対立さえ曖昧となり、その両方の「現実」に足をかけて生きる時代が近づいている。「現実」はどう変質していくのか。「ガラパゴス」人間(わたし)にも他人事ではないのかも。(A)

 

iPS細胞はいつ患者に届くのか:再生医療のフロンティア

塚崎朝子著 岩波書店(491.1/T)

本書によれば、この2014年にiPS細胞由来の細胞が世界で初めて患者に移植される予定だという。心臓から毛髪まで、体の各部位の再生医療へ役立てられるという比較的わかりやすいイメージから、期待が膨らむ一方だが、やはり現実はそれ程たやすくはない様だ。まだまだ越えられるべき数々のハードルが待ち受けているという。本書はその最前線リポート。(A)

 
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