100字でおすすめ! 今回のテーマは「大人にもおすすめ!『岩波ジュニア新書』」です。

一つのテーマから思いつく1冊や、今回はこれがいちおし!という1冊をスタッフが選び、100文字で紹介します。3冊の本の組み合わせの妙をお楽しみに。
これらの本は文庫コーナーの棚の上に展示しますので、ぜひ手にとってみてください。

「空気」を読んでも従わない : 生き苦しさからラクになる(岩波ジュニア新書 : 893)

鴻上尚史著、岩波書店、2022年(B0/K)

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「友達と絶交した時に読む本」としてテレビ番組で紹介されたエッセイ。上級生によるパワーハラスメントや過重労働が社会問題となっているが、人間関係に悩まされるのは、年齢も時代も問わない。学生生活、友人関係、就職活動、残業、飲み会、SNSやスマホとの付き合い方・・・「世間」と「社会」という仕組みについて、10代の視点から解き明かす。自分らしく生きるための手助けとなる一冊。(Y)

 

5アンペア生活をやってみた(岩波ジュニア新書 : 784)

斉藤健一郎著、岩波書店、2014年(B0/S)

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新聞記者の著者は、東日本大震災をきっかけに電気に頼らない生活を決意し、5アンペアの契約に変更する。ブレイカーが落ちないような家電の使い回し方や、電気量の把握方法などが実際的でとても分かりやすい。特に印象深いのは、著者が「5アンペア生活」を開始するきっかけだ。当初、「電気は全く使わずに暮らす!」と語る著者に対し、記者仲間からは説得力に欠けると意外にも反論の嵐。進退きわまった著者に、仲間の1人が「5アンペア契約をしてみたら?」とアドバイスする。これこそ、0か1かの議論にリアリティが生まれた瞬間だった。理想に近づくには、小さな節電であっても手段をたくさん実行することでしか現実を変えられないと気づかされる。そしてそれは、今後ますます必要になるのではないだろうか。 (A)

 

<刑務所>で盲導犬を育てる(岩波ジュニア新書 : 797)

大塚敦子著、岩波書店、2015年(B0/O)

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パピーウォーカー(子犬飼育ボランティア)不足解消のため考案された、島根の刑務所内で行われている教育プログラム。アドバイザーである著者によるルポ「盲導犬パピー育成プログラム」6年間の歩み。命を育てることで訓練生(受刑者)が自己を見つめ直し、更生へとつながる。盲導犬を必要とする全ての人がユーザーとなり、安心安全に外出できることが望まれる。(Y)

日本盲導犬協会パピープロジェクト