楽器磨き 国際社会学科

2014年11月21日
 投稿者:社会園芸学科 笠巻・藤澤
 ゼミ/授業名:教養基礎演習Ⅱ

11月13日木曜日 国際社会学科の定松先生・楊先生、社会園芸学科のダシルバ先生の1年生合同ゼミで、NGO「国境なき楽団」の「海を渡る風」という活動に参加しました。「海を渡る風」というのは、使わなくなって家庭に眠っている楽器を集め、その楽器を磨いて、世界の子どもたちに送ろう!という活動です。事前に、わたしたち学生が学内の授業やゼミで呼びかけをして楽器回収をしました。 当日は、国境なき楽団の代表である歌手の庄野真代さんをお招きし、楽器磨きを行いました。みんなで協力し、鍵盤ハーモニカ41個とリコーダー20本を新品さながらまでに磨き上げることができました。歯ブラシや激落ちクンを使っての非常に細かく地道な作業ではありましたが、間接的にでも子どもたちの笑顔にすることができていると感じて、達成感を得ることができました。

また、庄野さんから実際に活動している様子を、写真や映像などを通しお話していただきましたが、その中でも特に印象に残ったお話を一つ紹介します。とある発展途上国の孤児院に鍵盤ハーモニカを贈ったところ、その孤児院の院長さんは、「これは宝物だ」と言って、鍵のついた戸棚にしまい、決まった時間に鍵盤ハーモニカを使えるようにしたそうです。時間になると、戸棚の前には楽器を待つ子どもたちが行列をつくるようになり、それを見た院長さんは、子どもたちが自由に使える場所に鍵盤ハーモニカを置くようにしました。すると、子どもたちは楽譜を読めなくとも、自然と合奏のようにメロディーを奏でるようになったそうです。このお話を伺い、楽譜がなくとも、音楽は誰でも楽しむことができるし、音楽は人を笑顔にする力があるのだと感じました。

参加した学生からの感想です。
「これまで、現地に行かなければ貧困の子どもたちの力になることができないと思っていたが、日本にいながら子どもたちを笑顔にできる素敵な活動を知ることができた。これまでのボランティアに対する考え方が変わった」(1年 小谷さん)。
日頃生活していく上で、「貧しい国の子どもたちを笑顔にする」ということは、なかなかできないと思いがちです。しかし、それは私たちの想像力の貧しさかもしれません。「国境なき楽団」の活動では、日本にいながら、しかもとても身近な楽器を通じて、遠く離れた国の子どもたちを笑顔にすることができます。間接的ではあるけれど、誰かの笑顔に関わることができることは、自分にとっても幸せで笑顔になることができる、とても素敵な活動だと思いました。

担当教員:定松文

成人式や七五三はいつから「すべき儀式」となり、服装の決まりができてきたのでしょうか。私たちの日常にある儀式や伝統、規範や「らしさ」は、ほとんどが「新しい」ものであり、社会的につくられたものです。社会的に創られた過程と背景を「ジェンダー」や「マイノリティ」の視点から考えてみたいと思います。

定松文