園芸を通じて人の生活と植物の関係を考えてみましょう。 人間環境学科

2010年01月25日
 投稿者:小林幹夫
 ゼミ/授業名:小林ゼミ(園芸文化実践演習)

何事によらず、相手とのよい関係を築くためには、対象となる相手のことをよく知らなければならないですね。
園芸を学ぶ上で、まず第一に必要なことは、植物の性質を知り、成育するためにはどのような環境を与えたらよいかを知ることです。

私のゼミでは、まず、3年生の最初の時期は、園芸全般についての基礎知識と栽培のための基礎技術を身につけてもらうことを心がけています。

たとえば、決められた場所を使って、一人一人の学生さんに花と果樹を組み合わせた花壇の設計をしてもらいます。そして、みんなでアイデアを出し合いながら、ひとつのモデル花壇を考え、実際に自分たちで花壇を作るための共同作業をして、植物を身近に感じながら、土を作ることの大切さを知り、花を観賞することの面白さをおぼえ、そして、植物を栽培するために必要な基礎知識や、技術を身につけていきます。

3年生の後半からは、自分のテーマを決めて、深めていくようになります。
私のゼミでは、園芸の普及によって、私たちの生活を豊かにしていくことを目的として、「居住環境を中心とした、現代のライフスタイルに合った家庭園芸のあり方」を検討してモデル化していくことも課題のひとつとしてあげています。

しっかりと園芸の知識と栽培技術が身についたら、卒業論文に取り組んでいきます。
卒業論文に関するテーマとしては、たとえば、以下のようなものがあります。

  • 生活の中での園芸の役割とその形態
  • 歴史の中での園芸の形態や園芸植物の役割
  • 園芸を通じた人や地域社会とのかかわり
  • 栽培技術の改良や新しい技術の開発
  • 園芸植物の種類や品種の発達とその特性
  • 花や果物の文化史

などです。

まずは植物の名前と性質を知ることが大切です。植物を育てることは自分自身を育てることでもあります。園芸植物は人類に与えられた貴重な遺伝資源であり、人類が継承してきた文化遺産でもあります。幅広く園芸についてともに学びましょう。

共同作業で花壇つくり

担当教員:小林幹夫

私たちの多くは、食糧やモノにあまり不自由しない生活を送っています。しかし、その一方では自然破壊や食の安全性の崩壊など多くの問題を抱えています。そういう観点からも、人の生活と植物の関係について考えていきたいと思っています。

小林幹夫