映像を見れば人間が分る!? 歴史文化学科

2009年11月19日
 投稿者:李省展
 ゼミ/授業名:文化史演習IV(東アジア)

恵泉には国際社会学科にも李・ヨンチェ先生がいて二人の李という教員がいます。最近では、ヨンチェ先生のクラスのレポートが私の研究室のボックスに入っていたりして、学生たちをけっこう混乱させています。初めてのブログですので私が自ら三年の前期ゼミの紹介をします。

「東アジアの映像文化と歴史」では最初にパンソリの旅芸人の物語で有名な『西便制』を視聴します。韓国のハンの文化について学びますが、ハンと日本で言う怨みは異なるもので、韓国のハンはもっと明るいからっとしたものだ、などと一部の文化人類学者は説明しますが、なかなか韓国のハンも奥深いもので「恨五百年」となると気が遠くなりそうですね。結構この映画から学ぶことは多く、男中心社会や旅芸人の文化はもちろん、解放後の近代化と「伝統文化」の葛藤なども興味深いテーマです。

韓流ブームの火付け役となった南北分断を背景とした『シュリ』もはずせませんし、最近では『おばあちゃんの家』など、ほのぼのした映画を見て学生と一緒に考えたりしています。

テキストは川西玲子さんの書いた『歴史を知ればもっと面白い韓国映画』を使っています。後半では学生自らが、韓国や中国の映画、ドラマを紹介するプレゼンテーションを導入します。現代映画に関しては学生の映像分析もけっこう鋭く、面白い文化批評も聞けたりして、私自身が楽しく学んでいると思えるときがあります。

 

担当教員:李省展

最近の日本と朝鮮の関係において、二つの異なるベクトルが存在します。ひとつは、ワールド・カップ共同開催を契機とする日韓の交流の推進。そしてもうひとつは、歴史教科書、靖国神社参拝問題をめぐるアジア諸国との軋轢。この違いはどうして生じるのか、未来を見据える中で共に考えたいと思っています。

李省展