KEESの活動

恵泉英語教育研究会(Keisen English Education Society=KEES)は、恵泉女学園大学が行う地域貢献プロジェクトの一つとして2007年に学生の発案で始まり、2009年度に「大学教育・学生支援推進事業」【テーマB】学生支援推進プログラムに採択され、2011年度までの3年間、文部科学省から特別な支援を受けました。2012年度よりNGO法人東京II国際ゾンタクラブ (Zonta International)からの支援金をいただいて活動しています。
今回の支援は、国際ゾンタが行っている奉仕プロジェクトの一つである「ゴールデンZクラブ」への参加という形で採用されました。「ゴールデンZクラブ」は1948年に設立され、大学での奉仕プログラムを通し、世界中の女子学生のコミュニケーションスキルの向上や、自分磨き、キャリアの選択肢の拡大、地域または国際社会における人間的成長を支援することを目的としたプロジェクトです。現在世界中に207の「ゴールデンZクラブ」があり、KEESは日本で初めての参加団体として登録されました。
KEES(キーズ)には、現在2つの活動形態があります。

KEESの活動その I  小学校での外国語活動

「児童英語教育実践」クラス受講者の学生が、多摩市内の小学校において、年に6回(春学期3回、秋学期3回)、外国語活動行っています。担任の先生の協力を仰ぎながら、主に3年生、4年生のクラスにおいて45分の授業を担当しています。
小学校における外国語教育は、中学校以降の英語学習の下支えとなる大切なものとなりますので、子どもたちには豊かな英語のインプットを与え、英語らしい音声を身に付けてもらいたいと思います。活動を通して英語に親しみ、思わず英語を使ってしまう経験をさせ、「英語でも平気だ」「英語って楽しい」という気持ちを持ってもらいたいと思います。そして、小学校での英語との出会いを通して、英語でコミュニケーションを図ろうとする気持ち、またコミュニケーションを図る力を培いたいと思います。

授業を担当する上では、十分な時間をかけて準備をします。授業実践のために、担当教員の指導の下、授業内容の検討、英語の歌や活動の練習などを重ね、指導技術を磨いていきます。授業はすべて英語で行いますので、準備・練習を通して、子どもにわかりやすい英語で語りかける力もつけていきます。外国語活動を実践した後は、ビデオによる振り返りを行い、指導技術の向上をめざします。

KEESの活動そのII  絵本を生かした保育園などでの外国語活動

KEESは英語絵本や英語の歌を使って、保育園、児童館や図書館でも活動しています。

活動の目的

恵泉英語教育研究会(KEES)の目的はおおまかに6つあります。

  1. 地域社会へ出ていき、様々な年齢・職種を持つ人々との交流を通して豊かな社会経験を身につける。
  2. 地域社会でそれぞれに与えられた才能や個性を生かして、人々に奉仕する(人のために仕える)喜びを知る。
  3. 様々な違いを受け入れ、温かく心を通わせることができるコミュニケーション能力を身につける。
  4. 訪問先への連絡や活動内容を、自らそしてグループで協力して考え行うことで、自主性や協調性を高める。
  5. 社会で役立つマネジメント能力を身につける。
  6. 絵本の読み聞かせを通して、絵本に宿る平和の種を児童の心に植え付けるお手伝いをする。

絵本を生かした外国語活動

KEESの発足当初は「絵本を中心にした外国語活動」を行っていました。これは恵泉が独自に開発した教授法(ストーリー中心の外国語学習:Story-Based Language Learning)だと言えます(恵泉英語教育研究会(KEES)編:2014)。

恵泉では、以下の5つの理由で、ストーリーは外国語学習を促すために効果的であると考えています。

  1. 英語で書かれたストーリーを通して、異文化に触れることができる。
  2. 絵本で使われている英語の表現、音、リズム、イントネーションを純粋に楽しむこともできる。
  3. 絵を見ることで、ストーリーの内容を、日本語を介することなく、英語で英語を直接理解することがでる。
  4. ストーリーを使用することで、はっきりとしたテーマが生まれ、そのテーマが教室内にコミュニカティブな 環境を作りだし、オーセンティックな目的の    コミュニケーションの機会を生み出すことができる。
  5. 様々なストーリーを知ることは、感受性を豊かにするという副次的な効果がある。

参考文献

恵泉英語教育研究会(KEES)編 (2014)
『外国語活動で使える!読み聞かせ絵本&活動アイデア』(成功する小学校英語シリーズ)明治図書