KPKA&KEES 7月前半の活動

2023年08月16日

<7月1日(土)多摩市立中央図書館開館日 おはなしのへや 2回公演>

待ちに待った多摩市立中央図書館開館日。KPKAはこの記念すべき日に、午後2時からと3時からの2回、「おはなしのへや」で紙芝居シアターを開催できることになりました。
当初は定員20名ほどとされていましたが、「戦争と平和」というテーマの上演会には60人以上の大人と子どもが集まりました。演目の中には原爆の悲惨さと平和への希望を描いた『二度と』(松井エイコ作)や東京大空襲を描いた『三月十日のやくそく』(早乙女勝元作)も含まれていました。3,4歳の幼児や小学校低学年の子どもたちには難しいのではと考える人も少なくないのですが、実際に演じてみると、未就学児童や低学年の小学生などが紙芝居舞台の前に座って、身じろぎもせずまっすぐ画面をみつめています。
意味の分からない箇所にさしかかると、「原爆ってなに?」「どうして?」などと、時々大人に尋ねながらも目はしっかりと画面を見つめ耳を澄ませています。それは、作品の伝えるメッセージを心で受け止めようとする自然な姿勢のように感じられ大人を感動させました。
戦争の実相や平和の尊さは、子どもが安心できる雰囲気の中で触れることができれば、大人との共感も生まれ、子どもたちの心に刻印されるのではと感じさせられたひとときでした。
沢山のお客様が観に来てくださったのは、館内放送や会場案内でサポートしてくださった職員のN様のお陰です。ありがとうございました。

<7月8日(土)多摩市立中央図書館 サタデーくつろぎタイム①>

7月から8月末までの土曜日に、KPKAは多摩市立中央図書館2階のサテライトカウンタ=前で「KPKAのサタデーくつろぎタイム」を行いました。絵本や紙芝居をお客様のリクエストに応じて個別に読むことが当初のイメージでしたが、実際に始めて見ると、個別のリクエストよりも、紙芝居を一緒に観たいという方が多く、急遽、物語完結型と参加型の紙芝居を交互に組み合わせて30分間を構成することにしました。
初回は『二度と』(松井エイコ作)、『みんなでぽん!』(まついのりこ作)、『のばら』(小川未明原作)などを実演して、お客様の反応にあわせて演目を入れ替えたり、2回上演したりしながら30分間のステージを終えました。
この日は、8月5日の平和紙芝居上演会に出演する小中高校生にも集まってもらう会場練習の1回目でもあります。図書館の雰囲気に馴染んでもらい、KPKAの実演を観てもらったうえで、参加者たちが一つのチームとしての意識を高めて親しくなることも集まる目的でした。
中央図書館2階のサテライトカウンター前には、立ち見の方、椅子に座って聞き入る高齢者の方、ベビーカーを止めて親子で観ている家族など、小中高生も含めて様々な世代の方が集まっていました。その光景から、紙芝居に年齢は関係なく、どの作品でも誰でも楽しめる文化芸術だということも再確認できた貴重なサタデーシアターでした。
今回は図書館の机の上に紙芝居舞台を置いて椅子に腰かけた実演方法でした。しかし、紙芝居は観客の目の高さと同じだったため後ろからは見えにくく、演じ手の声も届きにくいようでした。次回からは紙芝居専用テーブルと黒い幕を持参して、立って実演する、本格的な紙芝居サタデーシアターを開催するつもりです。マイクを使わないで生の声で行う紙芝居シアター。8月5日の練習のために集まった小中高校生にも、来週からはこの場所で実地の練習とシアター鑑賞の両方を体験してもらいます。まさに「見る」紙芝居から「やる」紙芝居への移行です。みんなの力を引き出すサテライトカウンタ―前は、様々な可能性を秘めている多機能型広場だと言えそうです。

<7月8日(土)パルテノン多摩こどもひろばOLOVEでの「わくわく紙芝居シアター」>

中央図書館でのサタデーシアターを10時半に終えてすぐ、KPKAはパルテノン多摩4階のこどもひろばOLIVEに移動しました。11時と2時からの定期公演「おとなもこどもも楽しめる わくわく紙芝居シアター」に出演するためです。このOLIVEのステージも集まった小中高校生に観てもらい、『二度と』以外の楽しい紙芝居には何があるのか、それを演じる基本のコツは何かなど、講演後にロビーで話し合いの時を持ちました。
OLIVEのスタッフの方々も中高生の参観を歓迎してくださり、乳幼児から大人まで一緒に手遊びや紙芝居が楽しむ時間をゆったり見ることが出来る場所に案内してくださいました。スタッフのみなさん、今回もお世話になりました。ありがとうございました。

<7月9日(日)東京Ⅱゾンタクラブ チャリティーコンサート参加>

KPKA&KEESを「ゴールデンZクラブ」として長年サポートしてくださっている東京Ⅱゾンタクラブ様が、盲導犬育成のためのチャリティーコンサートを開催することになりました。当初はKPKAがお手伝いに伺う予定でしたが、今回はコンサートを鑑賞させていただけることになりました。場所は六本木のサントリーホール。出演はテノール歌手の秋川雅史さんです。希望した15名全員が招待していただき、帰国を控えた協定留学生のメンバーにとっても仲間との最後の活動になりました。
このチャリティーは、盲導犬や聴導犬を育成する団体への支援のために行われたもので、会場にはワンちゃん達と触れ合えるコーナーも設けられていました。コンサートは愛に溢れた雰囲気の中で美しい演奏が披露され、笑いあり涙ありの素晴らしいステージでした。一流のプロの表現とステージングの素晴らしさに、KPKAメンバーも感動を新たにしました。音声表現者としての目標がさらに明確になった記念すべき学びの日となりました。東京Ⅱゾンタクラブの皆様のご厚意に心から感謝申し上げます。

<7月10日(月)多摩市立多摩永山中学校 図書室⑥>

7月10日から7月13日までの4日間は、多摩永山中学校の図書祭りです。司書のA先生からお祭りへの参加のお誘いをいただき、初日10日をKPKAの日として参加が決まりました。出演は2年生のRさんとKさん。楽しい紙芝居を選んで演じ始めると、目の前の最前列には紙芝居練習会で親しくなった生徒さんたちがずらりと勢揃い。校長先生も盛り上げてくださり、このときの模様が、学校だよりにも掲載されました。校長先生、副校長先生、図書委員会の先生方、そして司書のA先生、特別なご配慮をありがとうございました。

<7月12日(水)多摩市立貝取小学校 平和学習出前授業 6年生>

多摩市立貝取小学校は、恵泉女学園大学から最も近い公立小学校です。大学の1時間目の授業を終えたYさんとSさんはふたりで貝取小へ急行しました。授業開始時刻になんとか間に合い、玄関から直接図書室へ。最初の45分はみどり学級6年生、次の45分は6年一組が対象です。
図書室で平和学習を行うのは初めてでしたが、司書のH先生が授業に必要なホワイトボードや机などをすべて揃えておいてくださったおかげで、ゆったりとした気持ちで授業を始めることができました。
みどり学級の子どもたちはKPKAの問いかけに積極的に発言をしてくれて、実演実習も一人一人の声が良く出ていました。また、6年1組の子どもたちも戦争や平和について自発的に考えを発言し、次々と挙手があり、問題意識の高さに感心しました。
図書室への入室から退室の時まで、貝取小学校の子どもたちの落ち着いた行動と、友達への思いやりに溢れた気配りが随所に見られ、テーマと向き合う真面目な態度は、すでに日常生活の中で育まれていることを見て、清々しさを感じました。
授業のご相談のために貝取小学校の校長室を訪問した際には、校長先生がエジプトの書店で購入された『はだしのゲン』のアラビア語版を見せてくださり、校長先生が世界の状況に対してどのようなお考えをお持ちかを伺うことができました。貝取小学校の子どもたちは、周囲の大人がどんな思いをもって生きているかを自然に感じ取っているのかもしれません。子どもたちの生きる力を育む場である学校の先生方の想いは、子どもたちの平和への想いに繋がっていることを改めて気づくことのできた貝取小学校での活動でした。
この日は授業の後に家庭科室で給食をいただくというスペシャルイベントも待っていました。関係の先生方や参観してくださった多摩市平和・人権課のAさんとも会話が弾み、素晴らしいランチタイムとなりました。校長先生はじめ副校長先生、担任の先生方、そして司書のH先生、大変お世話になりました。これからも様々な形での交流の機会をいただけますよう、よろしくおねがいいたします。