持続可能な多摩市を語り合う記念事業についての報告

2021年11月22日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

ご報告が前後いたしますが、恵泉祭の前日(11月6日)、多摩市市制50周年記念事業の一つ、『SDGsセミナー&セッション「50年後も持続可能な多摩市のために、私たちがいま始めること」』(主催・一般社団法人 多摩循環型エネルギー協会 協力:恵泉女学園大学)が本学を会場として開催されました。

『日本のSDGs それってほんとにサステナブル?』の著者の高橋真樹氏の講演に続いて、阿部裕行多摩市長のメッセージ、パネル討論等々を通して、温暖化抑制のために地域でいま何を始めるべきなのかと語り合いながら、多摩市のより良い未来をみんなの手で実現しようという活気に満ちたプログラムでした。

持続可能な発展(Sustainable Development) とは「将来の世代のニーズを満たす能力を損なわないような形で現在の世代のニーズを満たす発展」という定義ですが、より端的に言えば「今の世代のニーズを満たすことだけを優先して、将来世代の可能性を奪ってはならない」ということです。ルーツは1987年に国連の「環境と開発に関する世界委員会」(通称ブルントラント委員会)の報告書 「Our Common Future」(「われら共通の未来」)にありますが、ちょうど本学がまさに多摩市に産声をあげようとした年でもあることを思い出して、感無量でした。

折しも、イギリスのグラスゴーで気候変動対策を議論するCOP26が開かれていた最中でした。人類がこの地球で暮らし続けていくためのSDGsの達成もまた世界的喫緊課題です。
いずれも20世紀社会が作ってきたものへのラディカルな仕返し、言葉を換えれば人と自然が愛をもって調和する社会に向けた勇気ある挑戦かと思います。

それはまさに本学の教育理念にも通じるものです。「聖書」「国際」「園芸」を学びの礎として、世界平和に貢献する自立した女性の育成を目指しているところは、まさに人と自然が調和した社会を、愛をもって築く力の育成に他なりません。

大変有難いことに、学生たちは学びの成果を地域に生かす機会を様々に頂戴しております。先日も阿部市長から「環境調査感謝表彰」をいただいたことは、このブログでもご報告いたしました。
当日は改めて、本学の会場で阿部市長から賞状の授与をしていただきました。

本事業の推進者の一人、桃井和馬先生(国際関係・メディア論)からのメッセージです。

多摩市は11月1日で「市制施行50周年」を迎えました。その記念イベントとして開催されたのが、今回のセミナー&セッションです。地球規模の問題が怒濤のように押し寄せる今という時代にあって、多摩から何が発信できるのか? SDGsを基軸とした国際社会からの問いかけに、どのように応答できるのか? 「50年後も持続可能な多摩市のために」、私たちは今何ができるのか?「市民」「行政」「大学」が三位一体となってバックキャスティングすることで、今の問題を整理し、やるべきことが見えてきたのです。ポピュリズムが横行し、地球環境も深刻さの一途を辿る今という時代にあって、それでもなお、50年後の光を見つめ、未来に残したい「まち・社会」多摩市の姿を模索した貴重な機会でした。

桃井和馬

多摩市に誕生のご縁をいただき、多摩市と共にある本学です。持続可能な多摩市を目指すシンポジウムに若い学生たちの明るい未来を重ねる思いで拝聴させていただいた有意義が記念事業でした。

冒頭、学長挨拶
阿部裕行多摩市長のメッセージ
改めて多摩市長から学生が「環境調査感謝表彰」を受けて、記念撮影
改めて多摩市長から学生が「環境調査感謝表彰」を受けて、記念撮影

改めて多摩市長から学生が「環境調査感謝表彰」を受けて、記念撮影

パネルディスカッション

当日の様子は主催の多摩循環型エネルギー協会さんのホームページでもご紹介されています。