コロナ禍の中の子どもたちを思う

2021年08月30日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

8月も最後となりました。
いつもなら祖父母の家や海山で夏を楽しんだ子どもたちが友だちや先生との再会を楽しみに登校する姿が見られる時期です。
しかし、コロナ禍の急激な感染拡大によって、2学期の開始を延長した学校があったり、あるいは昨春のように一斉休校にするのではなく、登校するか否かを家庭の判断に委ね、仮に登校しない場合は家庭での学習に支障が生じないような手立てを講ずる自治体もあると伝えられています。

コロナ禍が子どもたちの生活に及ぼす影響の少なくないことが思われます。
そういえば、先日、こんな話を聞きました。まもなく3歳を迎える子がマスクを外した保育園の先生の顔を見た途端に泣き出したそうです。先生の口がとても怖かったらしいのです。昨春からコロナ禍で街ゆく人の殆どがマスクをしています。この子は生まれて以来、三分の二以上はマスクをした人の顔しか見てこなかったのでしょう。感染予防上、家庭でも親が日常的にマスクをかけていたとのことです。

私たちはこの1年半余り、コロナ禍によって当たり前の暮らしが奪われる苦しさに直面していますが、子どもが受けている影響は大人とは比べものにならないことでしょう。

子どもにとって日々の環境がいかに大切か、先週、実施したオープンキャンパスで、丸橋亮子先生(社会園芸学科 発達心理学)の模擬授業でも改めて深く考えさせられました。

丸橋先生の模擬授業タイトルは「子どもの発達と遊び」でした。
人の一生を発達心理学的に捉えるとどうなるかというところからスタートし、特に遊びが子どもの成長発達の中で持つ働きと意義をさまざまな事例や写真をもとに解説されていました。木に例えると、子どもがその子らしい素敵な木としてのびやかに育っていくためには、しっかりした「根っこ」にあたる子どもの時期がとても大切だということです。

コロナ禍の一日も早い収束を願うことは無論ですが、このコロナ禍の下に置かれた子どもたちの心と身体の今について、真剣に考えなくてはならないと思います。

【丸橋亮子先生の模擬授業(オープンキャンパス2021/8/21)のスライドから】