今年はオンラインでサマープログラム

2021年09月06日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

連日の猛暑とコロナ禍の感染急拡大が重なり、今年は殊の外厳しい夏となりました。
例年でしたら、学生たちが語学留学や長期FSなどで世界各地に出かけ、あるいは各国からの留学生を多摩キャンパスに迎えるのですが、今年はそれが叶いませんでした。
それでも、若い力はコロナ禍に負けることなく、国境を越えて心を繋ぐ時を持てたという嬉しいご報告をさせていただきます。

8月12日~8月25日にわたって、オンラインでサマープログラムが行われました。
韓国・中国の3つの大学から日本語を学ぶ学生を迎え、「食事」「音楽」「ファッション」「年中行事」等々をテーマに皆で語り合うという企画に、本学からもたくさんの学生がボランティアで参加し、ディスカッションをはじめとして、さまざまなおもてなしに大活躍をしてくれました。

サマープログラムは今年で10回目となります。コロナ禍の前までは多摩キャンパスに留学生を迎え、各地の観光も実際に経験してきましたので、それと比べるとオンラインでの実施に正直、懸念を覚えたことは事実です。2019年のサマープログラム報告はこちらをご覧ください。

しかし、実際に会えない・触れ合えないからこそ、伝えようとすることにさまざまな工夫がこらされ、相手を細やかに思う気持ちが画面から伝わってきました。若い人たちの熱い思いとハンディを乗り越えるしなやかなパワーに胸打たれる場面がたくさんありました。2週間にわたって、企画実施に尽力してくださった先生方と職員の皆様、そして、恵泉生の献身に心から感謝の思いでした。

最後に、このプログラムの企画運営の責任者を務めてくださった水上晃実先生と、裏方で支えてくださった教務課職員の波多真友子さんからのメッセージを紹介いたします。

水上晃実(教育学 日本語教育委員会委員長)

「オンライン開催であることをネガティブに捉えたくない」「留学生に対面と同じように、もしくはそれ以上に有意義な時間を過ごしていただきたい」 恵泉ボランティアの学生・教職員一同は、皆これらの思いを胸に今回のサマープログラムに取り組みました。Zoomでのプログラムは技術的に有効なものもたくさんありますが、コミュニケーションを取るという部分では簡単ではないということも否めません。しかし、学生たちはお互いを思いやる気持ちでそれを見事に乗り越えました。「こういう和柄なら画面でも伝わりやすいかな?」「このお菓子やカップ麺なら日本には売っていないかな?」と、各々が画面越しの相手を尊重して工夫を重ねるうちに、クラスには日に日に笑顔が溢れ、学生達がリラックスして授業を楽しむ姿が見られるようになりました。今年度はじめて取り入れたワールドカフェ(自由会話)の時間も留学生には大変好評で、恵泉ボランティアの学生と友達になり、連絡先を交換した学生も多くいたようです。"オンラインだからこそ築くことができた絆"を大切に、これからも学生たちが交流を深め、互いを理解し合って、将来について語り合える仲間となってくれることを願っています。

波多真友子(教務課)

このコロナ禍において、協定校の留学生たちへのオンラインプログラムを実施したのは、今回のサマープログラムで2回目となりました。対面で実施していた時とは異なり、オンラインプログラムでは、私たち事務職員は学生たちと交流をする機会をあまり持てません。ですが、プログラム最終日の修了式・フェアウェルパーティでは、留学生や本学のボランティア学生たちの積極的に楽しんでプログラムに参加していた様子を目の当たりにし、事務職員の一人としてこのプログラムに関わることができたことを嬉しく思いました。本学のこのような国際交流プログラムが学生たちにとって、かけがえのない経験となるように、これからも教職員一同が力を合わせて頑張っていきたいです。