パラリンピックでの卒業生の活躍

2021年09月13日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

7月末から熱戦を繰り広げた東京オリンピック・パラリンピックが9月5日に、すべての日程を終えて閉幕となりました。
コロナ禍での開催には人々のいろいろ思いや意見もありました。
必ずしも歓迎一色ではない風潮とコロナ禍で開催自体が危ぶまれる不安の中、ひたすら競技に集中したアスリートたちの努力とひたむきさは、純粋に称えたいと思います。

パラリンピック水泳に出場した本学卒業生の石浦智美さん(33歳)を応援する教職員の気持ちは、まさにそれでした。
石浦さんは視覚障害のある学生で英語コミュニケーション学科を卒業し、現在は伊藤忠丸紅鉄鋼人事総務部に所属しています。
病弱で喘息気味であったことから医師に勧められたことが水泳を始めたきっかけで、座右の銘は「継続は力なり」とのことです。

石浦さんの言葉です。
以前、少し視力があったときと比べて、視力をまったく失ってからは蛇行しがちで、スロープに頼るような泳ぎ方になって、葛藤もありました。でも、今はむしろ、周囲の泳ぎが気にならなくなりました。視覚障害は生活上、しんどいことも多いけれど、泳ぎの点ではかえって良かったかなと思っています。

<NHKニュースのインタビューから>

なんとしなやかで凛とした言葉でしょう。4度目の挑戦で晴れて日本代表選手入りを果たし、こうした言葉を口にできる裏には、まさに「継続は力なり」を座右の銘として心に刻んだ日々があったことでしょう。

石浦さんのことを本学教職員の皆で応援しておりました。
競技の結果は、50メートル自由形決勝で7位、400メートル男女混合リレーで日本新記録を出して5位となり、これはアジア新記録となりました。そして100メートル自由形決勝では8位の成績をあげました。本当にすばらしかったです。