大型連休前に恵泉を思う2つのこと
2025年05月12日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美
大型連休も終わり、今日からまた多摩キャンパスではさまざまな営みがリスタートしております。
本ブログも少しお休みをいただいておりましたが、順次、いろいろとご報告をさせていただきます。
本日はゴールデンウィークに入る前の先月の出来事、2つをご報告いたします。
1つは、嬉しいお客様お二人を「子育てひろばあい・ぽーと@外苑前」にお迎えいたしました。
そのお客様とは、作家の柚木麻子さんと幇間(太鼓持ち)としてご活躍の桜川七太郎さんです。
柚木麻子さんはここでご紹介するまでもなく、恵泉中高の卒業生で、数々のベストセラーで知られている著名な作家です。代表作の一つ、『BUTTER』は、国内はもとより、海外でも大変人気が高く、78万部のベストセラーとなっています。28万部を記録したイギリスでは、書店大手ウォーターストーンズに「今年の1冊」に選ばれています。
また、河井道先生の半生を描いた大河小説『らんたん』は大変な話題を呼びました。行く先々で"『らんたん』、読みましたよ"という声をたくさんいただいております。
もうひとりの桜川七太郎さんは、2010年に史上初の女性幇間になった方で、本学の卒業生です。桜川さんのご活躍については、こちらをご覧ください。
柚木さんが今、執筆を準備されているご本が子育て・保育関連で、その取材をかねて面会希望をいただきましたので、私が運営している「子育てひろばあい・ぽーと」でお会いいたしました。柚木さんは "旦那"役として七太郎さんを応援しておられるとのことで、桜川さんはお座敷に出る衣装で、ご一緒に訪ねてくださった次第です。
恵泉ゆかりの者同士、時を忘れて、楽しいひと時をすごさせていただきました。

もう一つは、4月29日(午前9:05~10:05)、NHKラジオにて「ラジオテキストが教えてくれる戦前の日本」に出演いたしました。
1932年(昭和7年)にNHK大阪中央放送局から数か月にわたって放送された家庭教育講座ですが、「両親再教育」という形で、国家が家庭や子育てに介入し、やがて戦争へと突入していく経緯について、ジャーナリストの武田砂鉄さんと共に語り合いました。

河井先生が恵泉女学園を設立されたのは1929年。まさにこうした時代の空気の中で、世界平和の構築を願い、そこに貢献できる自立した女性の育成を始められたのです。河井先生の英断と勇気を、改めて感慨深く思いました。
今年の大型連休は、この2つの出来事を通して、恵泉を思いながら過ごしました。
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