コロナ禍で留学生への支援始動!です

2021年01月25日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

本学にはたくさんの留学生が在籍しています。これまでは学内で留学生と日本人学生の交流が盛んに行われ、ともに学び、親交を深めてきましたが、今年度は新型コロナウイルスの感染拡大で、その多くの活動が制限される結果になっていて、とても残念です。
そうした中、留学生に向けたとても嬉しい試みが始まるというニュースが水上晃実先生から届きましたので、ここにご報告させていただきます。

水上晃実(教育学:「日本語能力」他担当)

☆日本語ボランティア始動

母国を離れ、単身日本で学ぶ留学生にとっては、どんなに不安の募る日々であったことでしょう。「留学生の不安を少しでも和らげたい」「学修のサポートをしたい」「恵泉での学生生活を満喫してもらいたい」...そういった思いで立ち上げられたのが、恵泉在学生による日本語ボランティアです。ボランティアの内容はレポート添削等の学修相談から日本語会話の練習、本の紹介、日本での暮らしに関するアドバイスなど多岐に渡りますが、12月に募集を開始したところ、瞬く間に23名の在学生が応募してくれました。そこで、早速ボランティア学生と留学生のマッチングを開始。それぞれのペアに教員も入ってZoomによる顔合わせを実施し、善は急げと早速ボランティア開始! 1月末の学期末試験対策が最初のサポートです。ここで2組のペアをご紹介します。

~吉田真理愛さん&リテンラクさんのペア~

「顔合わせの後、早速ラインを使ってボランティアの吉田さんに質問をしたら、とても丁寧に答えてくださって、本当に頼りがいのある先輩だなと思いました。」
中国からの留学生リテンラクさん(日本語日本文化学科1年)

「リテンラクさんの日本語力には本当に尊敬するばかりです。安心して期末を乗り越えられるように、また、これを機に親しい間柄になれるようにボランティアをさせていただきたいと思います。」
 吉田真理愛さん(国際社会学科3年)

上段左 吉田真理愛さん
下段 リテンラクさん
上段右 水上晃実(教員)

~佐藤愛奈さん&ジョホウさんのペア~

佐藤愛奈さん(日本語日本文化学科2年)とジョホウさん(国際社会学科2年)のペアはジョホウさんが中国からZoomに入り顔合わせ実施。この日の中国はマイナス15度とのこと。ボランティア活動を通して、日本人ボランティアもサポートするだけではなく、留学生から外国の文化や現状のお話を聞くことができているようです。

上段右 佐藤愛奈さん
下段 ジョホウさん
上段左 川井章弘(教員)

☆留学生が日本の本を紹介!~留学生多読交流会~

留学生が日本語で書かれた本を読んで紹介する「留学生多読交流会」は例年行われているイベントです。しかし今年はオンラインでの形を余儀なくされ、これまで行っていたようなポスターを作って発表するということができなくなりました。しかし、それならばZoomの投票機能を使ってビブリオバトル形式*にしてはどうか!?との案が。11人の留学生が読んでみて面白かった日本の本を競って紹介し合いました。聞きに来てくれた日本人学生も参加して投票されたその結果...見事に優勝したのは、黒柳徹子さんの「窓際のトットちゃん」を紹介した陳ユ希さん(英語コミュニケーション学科1年)でした。パワーポイントを画面共有してのプレゼンテーションも本の魅力を十分に伝えられるように工夫されておりとても印象的でした。日本語教育委員会からはささやかながら賞品も。楽しい学びの一日となりました。

*ビブリオバトルとは全国で開催されている知的書評合戦です。参加者が面白いと思った本を紹介し合い、投票でチャンプ本を決めます。(知的書評合戦ビブリオバトル公式サイト

優勝者 陳ユ希さんのパワーポイント

例年の交流会の様子を撮った写真も添えられていました。
今年度は何とかしてこうした取り組みを再開したいというのが、水上先生はじめ留学生プログラムにかかわっている教職員の心からの願いだと思います。一日も早いコロナ禍の収束を願ってやみません。