成人の日を迎えた学生の皆様へ

2024年01月08日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

今日は成人の日です。おめでとうございます!
民放改正で成年年齢が20歳から18歳に変わって2年目の成人の日です。
大人になることが2歳も繰り下げられたことに戸惑っている方もいることでしょう。
そもそも、今日から大人だと言われても、自信がないという人も少なくないかもしれせん。

この2年という年月に私はとても深い意義を覚えます。
世界中がコロナ禍に閉ざされた月日でした。「未曽有」という言葉が飛び交い、だれもが経験したことのないつらく先の見えない不安が社会に蔓延していました。普通のことが普通にできない、会いたい人に会えない、計画もままならない等々の中で過ごす時間に多くの人が苦しみました。
とりわけ思春期の真っ只中にあった若い皆様がどれほどせつない気持ちで過ごしているかと、私はいつも皆様のことを案じていました。

でも、皆様は不安に苛まれながらも、健気に高校生活を送り、大学生となられ、そして、今日の日を迎えておられるのです。コロナ禍がほぼ収束に向かっている今だからこそ、この間の歳月を振り返ってみてください。きっと自信がみなぎることでしょう。この先、なにがあっても乗り越えられる、と思えることでしょう。

成年年齢が2歳繰り下げられたのは、それだけ大人として信じるに足るものを皆様はすでに手にしているからです。そんな皆様になにか教訓めいたメッセージをお伝えする必要はありません。
ただ一つお伝えするとしたら、この間の経験を胸に、どんなときにも、どんなことにもあきらめず、たえず努力し続ける心の力を持ち続けていただきたいということです。若い皆様が先を思いわずらうことはありません。今していることの成果を急ぐこともしてはなりません。ただ、今この時を生きているご自分を大切にしてほしい。地道に時を刻んでください。この先、必ずあなたしか辿ることのできない道が開けてくることを信じて、日々、まっすぐ前を向いて、楽しく生きてください。
そんな皆様を間近に見守らせていただける幸せに感謝して、成人のお祝いとさせていただきます。

*次回の「学長の部屋」は1月22日とさせていただきます。