続・日本語を学ぶ外国人のための本、上梓のご報告

2021年04月19日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

本学で長年、日本語教育・日本語教員養成にご尽力くださってきた秋元美晴先生(本学名誉教授)が、一昨年の8月に 『日本語を学ぶ外国人のためのこれで覚える!漢字字典2500』を出版されたことをこのブログでご報告いたしました

大変な好評で、この1年半余りの間に7刷まで達成されたとのことですが、さらに嬉しいご報告です。その続編的なものとして、『日本語を学ぶ外国人のためのこれだけは覚えたい!漢字練習帳500』を上梓されました。

頁を開くと、「これだけは覚えたい」漢字としてあげられている526字の漢字が62のカテゴリーに分類され、その一つひとつに、「字音」「字訓」「意味」の解説と共にていねいな書き順が添えられているだけでなく、その漢字を使った単語を紹介し、さらに練習問題も掲載されています。ビジュアル的にもとても楽しいつくりで、ついペンを取って、練習問題に挑戦したくなります。

前著と同様に、秋元美晴先生監修のもと、志賀里美先生・古田島聡美先生・島崎英香先生が編著者となっています。お三方とも本学で秋元先生の指導を受けた大学院の修了生で、現在、母校の本学やYMCA健康福祉専門学校等で教鞭をとっておられます。

志賀里美先生・秋元美晴先生・島崎英香先生

秋元美晴先生から

日本語を学ぶ外国人のためのこれで覚える!漢字字典2500』は、2019年8月の初版では5000部も刷ったと聞き、これは何年たったら増刷されるのだろうと思いました。しかし、どうしたことが4か月後の12月には第2刷が出て、2021年5月には第7刷が出ます。このコロナ禍で多くの外国人留学生は日本に入ることができず、日本語学校は大変なときを迎えています。このような時代に、なぜ増刷されるのか今でもわかりません。

気をよくした出版社から、さらに『日本語を学ぶ外国人のためのこれだけは覚えたい!漢字練習帳500』を書いてほしいという依頼が私ども4人にありました。ところで、なぜ500字かというと、500字を知っていれば、新聞で使われている漢字の約80%が読めるという調査があるからです。

私たち4人組は、私を除いて、みなさんバリバリの現役ですから、「忙しいので、断りましょう」というかと思ったのですが、志賀さんも古田島さんも島崎さんも「ぜひ、やりましょう!」ということでした。さすが、恵泉女学園大学大学院の修了生です。

今回もゼロからの出発で、出版社とは編集方針が衝突するし、試行錯誤の連続でした。そのうえ、このコロナ禍で、みんなで会うこともできず、zoomで相談したり、暇な私が檄を飛ばしたりと、大変な1年でした。

でもこうして、出来上がると本当にうれしく、よく4人で頑張ったと思います。

前著と同様に外国人の方々の学びに役立つことはもちろんですが、ワープロに慣れて、漢字の読み書きを忘れがちな私たち日本人にとっても、大変参考になる本かと思いまして、ご紹介させていただきます。