2つのオンラインシンポジウムのご案内

2020年11月16日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

今日はオンラインで開催される2つのシンポジウムについてご案内をさせていただきます。

1つは、「長期タイFS20周年記念 恵泉ウェビナー」です。

本学の長期フィールドスタディ(FS)が今年で20周年を迎えたことを記念して、このプログラムが長期間にわたって実施されてきたことの意味や価値を卒業生の声、大学の支援・管理体制をもとに振り返るものです。

長期タイFSを含む本学の体験学習は、1999年にスタートした歴史のあるプログラムですが、その長い歴史を支え、実り多きものとしているのが、本学の教育の理念である「聖書」「園芸」「国際」の学びにあり、学生たちがこの3つの学びを礎としていることが、他の体験学習とは異なる本学ならではの特徴と考えます。

アジア、欧米、オセアニアの各地に出向き、価値観や生活習慣・文化の異なる方々とふれあい、共に暮らす時を大切にしながら、偏見や差別に立ち向かう心と行動をはぐくむ根底には、自分を愛するように他の方を尊重する「聖書」の学びがあり、さらに土に親しみ、植物を育て、いのちと自然を慈しむ「園芸」の学びがあります。

クリックすると、PDFが表示されます。

こうした確かな学びの基礎に支えられた体験学習から、若い学生たちがいかに大きなものを得ているのかは計り知れません。チャペルアワーの「感話」で学生たちが語る言葉とその姿に、あるがままの自分を謙虚に受け入れ、他の方と共にあることへの感謝をもって、この先の人生をしなやかに、凛として生きる目標を見出し、それを達成する志に充ちていることに、心からの感嘆と敬意を禁じ得ない思いでおります。

コロナ禍で体験学習プログラムの実施が大幅に制約されておりますが、そうした中、この状況をいかに乗り越えていくべきか、今後の展開について考える機会とすることも併せて開催されます。
長きにわたって多くの恵みを若い女子学生たちに与えてくださっている関係の皆さま、教職員の皆さまに深い感謝の思いです。皆さまの奮ってのご参加をお待ちしております。

詳細は以下の通りです。

テーマ:コロナ禍で考える海外体験学習プログラム(長期タイFS)
~これまでの20年とこれから~

開催日時

2020年11月21日(土) 13:30~15:15

主催

恵泉女学園大学体験学習委員会

プログラム

進行・総合司会:澤登早苗(体験学習委員長)

  1. はじめに 趣旨説明
  2. 学長挨拶
  3. プレゼンテーション
    セッション1:長期FSと現在の私(3人の卒業生に聞く)
    セッション2:危機管理体制
    セッション3:現地受け入れ先とのネットワークと協働
  4. 全体討論:(30分)(司会:高橋清貴 前体験学習委員長)
    ① 恵泉女学園大学の体験学習と生涯就業力
    ② コロナ禍における体験学習
    ③ 新しい時代における体験学習の意義と在り方
  5. 終わりに

もう一つは、私が代表理事をつとめておりますNPO法人あい・ぽーとステーション主催のオンラインシンポジウム、『ウィズ・コロナ すべての人に「居場所」を~シニア世代がひらく共生社会への道~』です。

新型コロナ感染拡大は社会の分断、人の分断を促しました。人との関係が断ち切られ、地域からも隔絶される不安とさみしさに直面したこの数か月、私たちが生きるのは人との関係の中、支え支えられてこその大切さを痛感できたのは、コロナ禍の貴重な教訓だったのではないでしょうか。

だれもが地域に自分らしい居場所を見つけることができるよう、共生社会への道を開く働きかけを、とりわけ孤立・孤独になりがちなシニア世代が中心となってできないか。企業等で長年活躍してきたシニア世代男性の定年後の地域貢献活動を展開してきたNPO法人が全国に呼び掛けたシンポジウムです。
11月7日に第1回目を終えましたが、全国から150人余りの方々が参加してくださり、"今だからこそこうして集い、皆で考える機会を持てたことはとても嬉しかった"等々のお声をたくさんいただきました。
第2回目(12月12日)・第3回目(2021年1月24日)と続きます。詳しくはこちらをご覧ください。

以上、2つのシンポジウムはともにオンラインです。
コロナ禍の中で、国や地域を超えて、人がどうつながり、共に生きる関係を紡いでいけるのか、私たちの進むべき新たな道を考えるきっかけになればと思ってご紹介させていただきます。