差異からみるアメリカ 歴史文化学科

2011年12月02日
 投稿者:近藤 詩歩
 ゼミ/授業名:文化史課題演習II(秋 3年) 

「私は三年ゼミでアメリカのジェンダーについて勉強しています。私たち女性にとって自分の置かれた問題を考える上で身近なテーマであると思い研究を進めています。
先日の発表では、アメリカ映画に登場する独身の働く女性、既婚の働く女性を対象に、年代を追って共通する問い、新しい問いをまとめました。ゼミ生からの意見が活発にでたのは、私が発表のなかで『ウェイトレス――おいしい人生の作り方』から、映像の一部を取り出し意見を聞いた時です。夫が妻に対して肉体的にも精神的にも支配的な夫婦関係を象徴するシーンであったため、自立とは何か、支配の関係性をどこにみるか、背景にある階級差、人種差、地域差をどうみるか、という問題や、日本の例、身近な例も飛び出し充実した意見交換になりました。

アメリカでは女性に家庭的な面を求めるだけではなく、社会的に女性を受け入れ、男性と同等に歩んでいける社会を理想として掲げてきた歴史があるものの、映画で問われている女性たちを取り巻く問題はより深刻で、依然理想とは程遠いものを感じました。映画も一つの手段ですが、今後も様々な側面からジェンダーの問題を問い続けることが大切と考えています。」

文化学科3年 近藤 詩歩

3年ゼミの前半は「差異」をめぐる研究の仕方を学びます。後半は前期の学びを生かして自分の興味に沿って研究テーマを選びます。アメリカのジャズと都市について、アメリカ医療の日本受容についてなどアメリカ文化に関することはなんでも!?やっています。
3年のゼミ論のテーマをどのように選び、どのように発展させていくかは、卒論に続く大切な課程です。自分の興味のあるテーマをとことん楽しんでゼミに臨んでください。

杉山 恵子

担当教員:杉山 恵子

9.11のWTC(ワールド・トレード・センター)の崩壊直後、スーパーマンと子供たちが積み木で遊ぶコミックが登場しました。積み木の形はまさに二つの WTC。まるで、「また立ち上げよう」とでも言うように。そんなコミックの意味や意図を考えるのもアメリカ研究の入口です。いろいろな角度から、アメリカの歴史を読み解いていきましょう。

杉山 恵子