杉達学院大学への語学研修報告

2024年04月08日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

本学には、春休みまたは夏休み中の2週間~1カ月間、仲間と一緒に欧米やアジアで語学を学ぶ海外語学研修プログラムがあります。初めて海外に行く学生や長期留学の前に留学を経験したいという学生たちを主に対象に実施してまいりました。
プログラムの一覧はこちらをご覧ください。

今日、ここにご報告いたしますのは、この3月に実施した中国上海の杉達学院大学への語学研修についてです。同行した楊志輝先生(専門:国際政治・日中関係)からの報告です。

【楊志輝 上海杉達学院大学への語学研修に同行して】

2024年3月の上海は寒かったです。しかし、恵泉女学園大学の協定校の上海杉達学院大学の皆さんの歓迎ぶりは温かかったです。まさに中国語で言う「熱烈歓迎」でした。

3月3日夕方、例年にない寒さで中国語学文化研修参加者一行5名はダウンジャケットや長いコートに身を包まれて、上海浦東国際空港に降り立ち、上海杉達学院国際交流課副課長・衣苗先生と、中国語堪能のアシスタントのリサさん(ロシア人留学生)、スクールバスの運転手さんによる温かい出迎えを受けました。空港のロビーで「上海杉達学院へようこそ!」の看板を見て、4年前の2020年3月にコロナ禍で語学文化研修の実施を中止せざるを得なくなり、そして1年間の協定留学に派遣される予定の皆さんが目に涙を浮かべ、杉達への留学を断念せざるを得なかったことが昨日のように思い出されました。今回も参加者数がかつてほど多くなくて採算が取れないことで、当初、実施が危ぶまれていましたが、幸い両大学の責任者のご理解、ご支持を得て実現できました。

引率者の楊にとっては、2019年3月の中国語学文化研修の実施から実に5年ぶりの上海でした。現地の状況は大きく変わり、まるで浦島太郎の気分でした。入国手続きのデジタル化、支払い手段のキャッシュレス化が進み、街の中心地に新しい超高層ビルが立ち、杉達の近くには飲食店のみならず、ニトリやユニクロなども入っている「花園城」という大型ショッピングモールができて、いっそう便利になりました。杉達学内には新しい学生寮や海外留学生専用の宿泊施設、国際会議や宿泊ができる学術交流センターなどができて、在学生の中にはロシアやドイツ、タイなど外国人留学生の数も増えて、活気に溢れています。

恵泉のこの研修プログラムに関わる杉達の国際交流課、中国語国際教育学部、日本語学部など現地の責任者も現場の担当者もほぼ変わりましたが、どの先生も情熱的で誠心誠意精一杯支えてくださいました。長期の協定留学生ご担当だった衣先生は、ご多忙中にもかかわらず研修期間中ほぼ付ききりで対応してくださいました。元教務の責任者で新たに国際交流課の課長となられた李麗先生(学長補佐)は、始業式の歓迎スピーチで、恵泉と杉達との長年の友好交流の歴史に触れ、語学文化研修プログラムの再開を喜び、さらに、これまでに学長訪問、協定留学生の相互派遣、語学文化研修や恵泉サマープログラムの実施などを通じて育まれた両校の深い友情を語り、恵泉の募集停止という一報に一同ショックを覚えつつも、これからも可能な限り支えていくと挨拶されました。また、研修に参加した恵泉の学生に対して、中国語の勉強だけではなく、中国の文化に触れ、そして一人でも多くの中国人の学生と交流してほしいと勧めてくださいました。早速、初日の昼休みから大勢のボランティアの杉達学生が駆けつけてくださって、上海を発つ日までみんな非常に熱心に恵泉の学生と交流し、親切にサポートしてくださいました。昨年度、協定留学で恵泉に来ていた張昕恬さんもボランティアとして加わり、一緒にキャンパスツアーをしてくれました。さらに、かつてこの研修プログラムに参加したことがきっかけとなり、いま上海で日本人向けの情報誌の編集長を務めている恵泉の卒業生の金子千鶴さんも3月8日・国際婦人デーの休みを利用して後輩たちに会いに来てくれて、ともに街中を案内したり、進路の相談に乗ったりしてくれました。

2週間の研修プログラムの内容も以前と変らず非常に充実したもので、午前中に中国語の授業があり、午後には様々な文化体験があり、そして、1週目の週末に杉達の嘉善キャンパス訪問と学生交流、トム・クルーズ主演の映画『ミッション:インポッシブル』の舞台にもなっていた江南水郷古鎮の「西塘」観光などがありました。中国語の授業では、テキストを参考にして英語堪能の鞠先生と日本語も堪能の朱先生がパワーポイントで分かりやすく教授し、中国語の基礎を復習しつつ、日常会話ですぐ使える表現や単語を練習問題に追加し、それぞれの学生のレベルに応じる個別指導も行いました。文化研修の内容として、従来のプログラムで好評だった太極拳・カンフー扇の体験、上海博物館(春秋戦国時代の青銅器や三星堆の文物)参観、上海ディズニーランド、中国雑技の鑑賞のほかに、新たに雲南少数民族の伝統工芸「扎染」(絞り染め)、中国民族楽器の体験も加わり、盛りだくさんでした。そして、2週間のお疲れ様会でみんなで人気の火鍋店「海底撈」に行って思い思いにご馳走をいただきました。

3月15日、2週間の語学文化研修の締めくくりとして、終業式で参加学生は一人ずつ中国語で発表し、みんなから大きな拍手を受けました。学長補佐の李麗先生と国際教育学部・前学部長の範先生がそれぞれコメントし、短期間で中国語レベルを上達させた学生たちを賞賛し、いつでも杉達に留学に来てほしい、上海にまた遊びに来てほしいと述べました。そして、李先生からは、コロナ前の2019年に予定されていた大日向学長先生の杉達訪問は叶えませんでしたが、今年の後半、杉達の学長が日本を訪問することが実現できれば、ぜひ表敬訪問したいとのお話がありました。最後に、杉達の芸術デザインとメディア学部の学生が制作した龍(辰年)のマスコットをプレゼントしていただきました。

上海へようこそ!
太極拳・カンフー扇
中国の民族楽器の鑑賞
嘉善キャンパス訪問と学生交流
江南水郷古鎮の「西塘」観光
修了証書を手に終業式に臨む

上海杉達学院大学からいただいたプレゼントで、龍(辰年)のマスコット(杉達学院・芸術デザインとメディア学部の学生作品)