タイ・チェンマイからの手紙 「長期フィールドスタディ」体験記

恵泉女学園大学では、日本や外国を理解する際に、机上の知識だけでは学び取ることのできない人間的な理解こそ必要だと考えています。恵泉女学園大学では国外現地授業として、約5ヶ月間タイで実施される長期フィールドスタディが用意されており、今も、多くの学生が現地で学んでいます。そんな様子を学生の皆さんが現地からレポートいたします。

カンチャナブリFTの準備授業 

2015年09月14日  投稿者:IS3年 A.W

今月末にあるカンチャナブリFTの準備授業として、デイヴィッド・ボゲット先生に泰緬鉄道について教えて頂きました。ボゲット先生は京都の大学で36年間教鞭を取っていて、日本語はもちろん関西弁も流暢にお話ししていて、びっくりしました。泰緬鉄道とは第二次世界大戦中に日本が作ったタイからミャンマー(当時のビルマ)につながる鉄道のことです。日本の植民地への物資の運搬を目的に作られたこの鉄道は、連合軍の捕虜と、当時植民地であったアジア人労働者の熾烈を極める労働と犠牲の上に作り上げられました。

戦後、捕虜たちは映画や墓地が作られましたが、名もなきアジア人労働者たちは光をあびることなく消えていきました。私は初めて泰緬鉄道のことを知りましたが、戦争の怖さと愚かさを改めて実感しました。まるで黒色のペンキで胸を塗りつぶされたような感覚でした。

歴史学が専攻の先生のお宅には歴史的に価値がある貴重なモノがたくさんコレクションされており、お話を聞いた後にみんなで感嘆の声をあげながら拝見しました。とても濃厚で充実した時間でした。

ボゲット先生のお家にお邪魔してお話を聞きました。

NGO訪問 Development Education Program for Daughters and Communities

2015年09月11日  投稿者:HE4年 安藤美季

チェンライ県で農村ホームステイを終えて、ミャンマー国境付近のメーサーにあるNGODEPDC(Development Education Program for Daughters and Communities)を訪問しました。

DEPDC は、1989年にDEPDCのダイレクターであるソムポップ先生と「少女売春をなくしたい」の著者である稲垣三千穂さんによって設立されました。設立当時の活動目的としては、児童労働や性的労働などで強制的に働かせられ、搾取されていた子どもを対象に保護・ケアを行っていました。現在では、養育者がいない、経済的、国籍がない、性的虐待などを受けた子供たちを対象に文字の読み書き、算数やライフスキルなどのノンフォーマル教育を提供しています。

午前中はタイ語、算数、英語などの科目を学び、午後のアクティビティは農業(実際に育てた作物を週2回お昼のおかずとし、持ち帰ったりしている)ハンディクラフト作りなどを行います。卒業しても地域で生活ができるようになることを目的としているので、アカデミックな勉強をするのではなく、生活に必要なライフスキルを重要視しています。子どもたちのニーズにあった教育、生きていくためのライフスキルを教えていて素晴らしいと思いました。

DEPDCのスタッフと記念写真(シャン族の子供が撮ってくれました)

ミラー財団訪問

2015年09月10日  投稿者:R.O(国際社会学科3年)

チェンライフィールドトリップ3日目に、ミラー財団を訪問しました。ミラー財団(The Mirror Foundation)は、「タイに住む山岳民族(山地民)の生活の質の向上と文化・伝統の継承をサポートするNGO」です(ミラー財団チェンライ事務局のパンフレットより)。1991年にタイの若者たちによって設立されました。現在では、タイ人、山地民、外国人が働いており、ボランティアや研修生も受け入れています。タイ国籍取得運動プロジェクトやフェアトレードプロジェクト、若者育成プロジェクトなどをおこなっているそうです。

今回は、恵泉の卒業生で、現在、ミラー財団で働いている伊能さくらさんから、山岳民族について教えていただきました。タイと周辺国の歴史を交えながら、問題が生まれた背景(流れ)や、そこで生まれた山岳民族へのイメージなどを学びました。伊能さんによると、山岳民族の抱える問題の要因には、タイ政府の開発政策に伴う環境の変化や、タイを含んだ世界の近代化とグローバル化が挙げられるそうです。山岳民族が抱える問題には、自分たち日本人も少なからず関わっていることを改めて感じました。

また、ミラー財団がどのような活動をおこなっているのかも教えていただきました。ミラー財団は、人を育てることに力を入れているそうです。山岳民族をサポートするだけでなく、ボランティアに参加する人たち自身も成長できる場所だと思いました。

最後に、伊能さん自身のお話も伺いました。特に印象に残ったのは、小さな感謝を普段からすることの大切さや、ポジティブに物事を捉えることで新たな発見や学びにつながることです。当たり前のことかもしれませんが、だからこそ、心掛けていきたいと思いました。

ミラー財団のボランティアルーム

チェンライ農村ホームスティ

2015年09月09日  投稿者:IS3年 M.Y 

チェンライ県にあるパンラオ村へ二泊三日ホームステイしてきました。パンラオ村に住む人々は、東北タイから北タイへ移住してきた人々であり、東北タイと比べて豊かで、農業に適しているため移住者が増え、そのため村は二つの行政村に分けられ、今では約300世帯あります。村の人々は、暖かく私たちを迎えてくれました。村に到着した日には、私たちを歓迎するための儀式が行われました。招魂儀礼の儀式は、とても独特な手法を用いるものであり、賑やかに行われました。

パンラオ村では、くじ引きにより私たちのホームステイ先が決まりました。タイに来てからの初めての個人行動となり、私は不安と緊張でいっぱいでした。村では主にホームスティ先の人と一緒に過ごし、学生の中には街へ行く人もいれば、家で子供と遊んだり、縫物をしたりする人もおり、皆、パンラオ村の生活を楽しんでいました。また、村の朝は早いため、早寝早起きでした。

私のホームステイ先の生活は、起床して、お寺へお参りに行ったり、織物の様子を見せて頂いたり、ランブータンを取りに行ったり、村で流行っているカバン作りを体験し、楽しみました。

今回のパンラオ村でのホームステイを通して、自分が生活している中での無駄なものが沢山見えました。また、何事も挑戦することが大切だと改めて気づきました。

私たちを歓迎するための招魂儀式

タイの教育

2015年09月08日  投稿者:国際社会学科3年 清水なつみ

8月27日(木)の午後の授業は、タイの教育についての講義を受けました。主な内容は、学校外教育( Non-Formal Education)と先住民に対する教育の現状と課題についてです。

講義をしてくださったのは、チェンマイ大学の教育学部で教えていた、カリフォルニア出身のケン先生と、ケン先生の教え子であり、山地民の問題解決に取り組んでいる NGO "IMPECT ;Inter Mountain Peoples Education Culture in Thailand Association"で勤めているラフ族とカチン族のハーフのキン先生です。

まず、ケン先生がフォーマル教育と比較しながらノンフォーマル教育の概念について分かり易く教えてくださいました。 フォーマル教育では学習内容が統一され、すぐに生活で実践できるような学習は少ないが、一方でノンフォーマル教育は教育の対象も学習内容も形態も非常に多様であり、その人の生活に必要なことを学ぶのが特徴であるとのことでした。

次に、キン先生が実際にある村のコミュニティスクールを例に挙げタイの山地民に合う教育について教えてくださいました。元々、学校のある村は少なく教育の機会は不平等でした。そこで、地域の人たちが子どもたちに民族の文化や村の農業などを教えるコミュニティスクールが設立しました。コミュニティスクールが運営されたことで、様々な問題の解消につながっているそうです。さらに、設立当初はNGOなどの外部機関が主体でしたが、最近では村人主体でニーズに合った運営ができているとのことでした。スムーズな運営のため、他の山地民の教育機関と協力し、教育政策提言を目指しているそうです。 今回の講義を受け、ノンフォーマル教育への関心がさらに深まりました。タイは町と村で生活様式が全く違うからこそ、ノンフォーマル教育という形態がここまで発展しているのだと感じました。そして、タイの山地民に向けた教育は試行錯誤しながらも発展し続けていること、スムーズな運営のためには政府との関係が重要であることがわかりました。 そろそろ本格的に体験学習先について考える時期です。今回の講義で学んだことを含め、興味関心の分野についてさらに深め、具体性・主体性・目的をしっかりと持って活動に取り組みたいと思います。

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