「恵泉祭2025」のご報告
2025年11月17日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美
先週の日曜日に「恵泉祭2025」を開催いたしました。時折小雨の降るあいにくのお天気でしたが、想定を超えるたくさんの方がご来場くださいました。
10時からのオープニング礼拝(@チャペル)で幕を開け、午後からの「リユニオン in 多摩 ウェルカムセレモニー」では卒業生たちと教職員とのなつかしい交流、嬉しい再会も繰り広げられていました。卒業生、同窓生、かつての教職員の皆様、地域の方々、関係の皆様の笑顔に包まれて、あたたかな雰囲気に満ちた多摩キャンパスの一日でした。
オープニング礼拝での実行委員長の感話と祈りには、今回を含めてあと2回となった恵泉祭に向けた想いがこめられていました。年々学生数も減るなかで、準備に心を尽くした学生たちの健気な姿、それを応援する教職員の力添えで、恙なく恵泉祭を開催することができましたこと、ご来場くださいました皆さまへの心から感謝と共に、ここにご報告申し上げます。
当日の多摩キャンパスの様子の一端を以下、写真(アートスタジオスズキ 提供)でご覧いただければと存じます。
恵泉祭 礼拝 「未来へ羽ばたくために」
実行委員長 社会園芸学科3年 矢内仁美
今年の恵泉祭のテーマは「羽ばたく」です。
この言葉には大空へ美しく舞い上がる鳥のように、成長して未来へ進んでいく、より高みを目指す、という意味を込めました。さらに、私たちは恵泉での学びや経験を糧に、もっと力強く羽ばたいていけるように、という思いもこのテーマには含まれています。
今回「羽ばたく」というテーマに決まったとき、鳥が羽ばたいている様子をイメージしました。鳥の中でも、鳩は平和の象徴とされています。なぜ鳩が平和の象徴とされているのか、ご存知でしょうか。これは旧約聖書の「ノアの箱舟物語」に由来しています。ノアは大洪水のあと、水が引いたか確かめるために、鳩を遣いに出しました。その鳩がオリーブの葉を持ち帰ったことによって、地上の水が引いていることを知り、再び平和が戻ってきたことを伝えたからだそうです。 この由来を聞き、私が想像したのはこの鳩の心です。この鳩はどのような状況か分からない船の外に行くことを命じられ、きっと不安もあったと思います。それでもノアに励まされ、勇気を出してみんなのために空へ飛び立ち、オリーブの葉を見つけたときは喜びにあふれたことでしょう。そして、この喜びを自分だけのものにせず、ノアたちの待つ船へ持ち帰り、喜びを分かち合ったのではないでしょうか。
私が恵泉で学んだことは、今できることを精一杯やることの大切さです。私は恵泉に入学してから海外プログラムに参加したり、信和会に入ったり、メイポールダンス、恵泉蓼科ガーデンや恵泉がガーデン管理を担っている新潟県にある当間高原のホテルでの研修など、様々なことに参加してきました。特にメイポールダンスやガーデンの管理方法を学ぶ研修は恵泉でしか体験できないものだと思います。今しかできない体験にチャンスを逃さず挑戦することで、広いガーデンの管理方法を学んだり、海外プログラムでは訪問した先々で出会ったその道の専門の方や学生同士と交流したりと、貴重な体験ができました。
また、私たちは恵泉教育の三つの礎である「聖書・国際・園芸」を通し、キリスト教信仰に基づき、神と人とに仕え、自然を慈しみ、世界に心を開き、平和の実現のために私には何ができるかを学び、考えます。恵泉ではこの礎に基づいた、ここにしかない授業がたくさんあります。生涯就業力STEPの授業では、「恵泉で何を学ぶのか」「私らしさとは何か」「恵泉での学びは、卒業後の人生でどのように支え、導いてくれるのか」などについて自分に向き合いつつ考えを深め、「生涯にわたって自分らしく生きる目標を忘れず、身近な大切な人、地域・社会のために尽くして生き続ける力」を育みます。恵泉の先生方に限らず各界で活躍されている方や先輩、卒業生たちを講師に迎え、1ステップずつ社会へはばたく準備をします。さまざまな経歴の方々からお話を聞くことができて、新しい視点を得ることができたと感じています。このように授業や行事に精一杯取り組むことで、今後体験しようと思っても難しいことにも挑戦でき、この経験を活かすことで、誰かの役に立つ働きを担うことができるのだと思うのです。
私は今回恵泉祭実行委員をやると決まったとき、楽しみな気持ちと不安な気持ちがありました。私達の代は高校生の時に様々な行事がコロナ禍の影響を受けていました。私の高校では三年生の時に文化祭を開催することができましたが、開催できなかった学校や、規模を縮小した学校もあると聞きます。ですから、大学生になってからであっても、このような形で恵泉祭に関われることになり、とても嬉しかったです。
しかしながら、不安になった理由は、実行委員の少なさです。今回の実行委員は信和会役員が行っているのですが、今年度の信和会役員は5人しかいません。果たして、少人数で恵泉祭の準備を行うことができるのか、当日も問題なくみんなが楽しめるようにできるのか、考え出すときりがありませんでした。しかし、春学期からみんなで案を出していくうちに、5人だけだとしてもできることを精一杯頑張ろうと思えました。みんなで協力し、企画を考えたり、説明会を行ったり、夏休みもそれぞれ仕事を進め、学生課の方々の支えもあり、ついに今日恵泉祭当日を迎えました。
私たちは閉学を迎えなければならないという中ではありますが、ノアたちに平和を伝えた鳩のように、恵泉での学びが自分のためだけでなく、誰かにとっての未来への希望や勇気に繋がることを願って、暗闇の中にあっても、光を見つけ、羽ばたいていきたいと思います。今日の恵泉祭が、その思いをさらに強く豊かに育む一日となるようにと願っています。
一言お祈りいたします。
神さま、本日、こうして恵泉祭が無事に開催され、チャペルに集った方々と礼拝からプログラムを始められますことを感謝いたします。
「羽ばたく」をテーマにした恵泉祭。準備から本日に至るまで、実行委員一人ひとりをはじめ、多くの方々に支えられ今日の日を迎えることができました。
そしてさらに、今日は卒業生や旧職員の皆さま、学園関係者の皆さま、地域の皆さま、恵泉を支えてくださる多くの方々をお迎えいたします。今日の出会いを通して、未来に羽ばたく力を得られますように、あなたの励ましと祝福を祈ります。今日一日、多摩キャンパスに足を運んでくださるお一人おひとりが豊かなひと時を過ごされますように。このお祈りを、イエスキリストのお名前を通して、御前におささげいたします。アーメン。


オープニング礼拝



ステージパフォーマンス




リユニオン in 多摩






メイポールダンス


屋外企画








同窓生有志
屋内企画
在学生+卒業生によるハンドベルコンサート



日本語日本文化学科企画「源氏絵と竹取物語絵、
伊勢物語絵、平家物語絵」
アンサンブルフェローズ
エンジェルカフェでのKPKA紙芝居シアター
平和紙芝居を演じるKPKAキッズ1年生
閉会宣言


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