佐久市「佐久平女性大学」に招かれて

2022年06月13日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

6月に入って最初の土曜日。長野県佐久市の「佐久平女性大学」から講師としてお招きをいただき、「恵泉ブランド『生涯就業力』~自分らしく咲くために~」と題して講演をしてまいりました。

「佐久平女性大学」は、"ニューノーマル時代に、生涯成長、生涯就業力を持った女性を育成する"ことを旗印に、この4月に開講された大学です。開講に際して、黒沢梢学長が本学のHPをご覧になって、恵泉女学園大学の「生涯就業力」の理念とその実践に感銘を覚えてくださったと伺いました、その黒沢学長からの熱心なご要請をいただいての講演受託となった次第です。

当日の会場は、初夏の信州のさわやかな風が吹きわたり、一方に浅間山、もう一方に蓼科の美しい山並みが見渡せる佐久市役所庁舎。午前中はワーク、午後は講演とそれを受けてのワークと、盛沢山の一日でしたが、受講生の熱意が会場内に溢れかえって、一日がとても短く感じられました。「佐久平女性大学」入学希望者は3倍以上いらしたとのことですが、第1期生ということもあって、全期間を通して丁寧にその学びを見守ることができる人数に絞られたとのことでした。惜しくも入学が認められなかった方々も公開講座として参加されていて、地方の女性たちがこれほどまでに学ぶことへの意欲を強めていることに胸打たれました。

「佐久平女性大学」のカリキュラムは、"1教養 2言語運用能力 3 課題発見・解決能力 4コミュニケーション能力 5他者との協働・共生力 6新しい価値の創造力"の6領域から構成されていることも、恵泉女学園大学の「生涯就業力」をよく研究くださっていました。
黒沢学長やワークを担当された講師(草田道代氏)が、受講生に向けて、"答えは一つではない。間違うことと考え続けること、皆で分かち合うことが大切"と繰り返しておられたことも印象的でした。

「佐久平女性大学」の大きな特徴は、仮に首長が交代しても継続することを保障する条例を策定してスタートされたことです。栁田清二市長が朝のワークから午後の講演まで、ずっと臨席され、受講生の学びを見守っていらっしゃる姿にも、女性たちの学びをエンカレッジしようという市長率先の思いが伝わりました。また「佐久女性大学」のアドバイザーを務めていらっしゃる小宮山洋子氏(元厚生労働大臣)も、全日参加をされ、最後のまとめとして、「チャンスが巡ってきたら必ずチャレンジしてほしい。つらいことも 失敗もあると思うが、人生の中で無駄な経験はひとつもない」と受講生にエールを送っておられました。恵泉女学園大学の「生涯就業力」をこういう形で「佐久平女性大学」が継承し展開してくださったことを、本当に嬉しく思います。

最後に黒沢梢学長からいただいたメッセージをお届けいたします。

私は24年前、三歳児神話に悩める一人の母親でした。NHKのある番組での大日向先生の言葉に救われ、永年勤務を続け、今年、女性が自らの意志で居場所を選び、そして精神的に自立し生きていくことを支える佐久平女性大学の事業に関わることになりました。人は人生の中でいくつもの岐路に遭遇します。その時々で、誰かの言葉や支えが力になります。私にとって大日向先生との出会いがそうであったように、本学生にもそれを実感できる時を過ごしてもらいたいと考えております。

大日向先生はご講演の中で、日本の女性の現状について歴史も含め、正確なデータを元にとても分かりやすくお話してくださいました。また女性の中に潜む心理的な事象、流行歌から見る女性の姿と本質、貴学生のご論文による象徴的プリンセス像の変化、大変興味深いお話が続き、あっという間の時間でした。ご講演が私たち佐久平女性大学の学びの意欲をより深めてくださいましたことに心より感謝申し上げます。

最後に・・、仲間探しゲームで大日向先生と仲間になれた学生は大変ラッキーでした。金平糖ちゃんのお話は、とてもとても素敵なお話でした。雲が晴れた浅間山が先生のまたのお越しをお待ちしております。大日向先生、誠に有難うございました。

佐久市佐久平女性大学 学長 黒沢 梢

受講生の皆さまと共にワークを
閉会のメッセージ(小宮山洋子氏)
閉会のメッセージ(小宮山洋子氏)
講座終了後、受講生の皆さまと
(前列左3人目から:ワークを担当された草田道代氏 大日向 アドバイザー小宮山洋子氏 学長黒沢梢氏)