上海杉達学院大学学長 表敬訪問団をお迎えして

2018年04月23日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

4月13日、上海杉達学院大学の李進学長が、国際交流課副課長(張楽風氏)、就職センター 主任(沈毅氏)、人事課 副課長(魏佳氏)と共に本学に表敬訪問にお見えになりました。2年前にも同大学の副学長他がお訪ねくださいましたが、それに続く2回目のご訪問です。

上海杉達学院大学は1992年に創立された中国初の私立大学で、キャンパスは上海市(浦東金海路)と浙江省(嘉善)にあります。現在、中国には私立大学が500以上ありますが、その中でトップをいく名門校で、14の学部と25の専攻から成り、学生数は14,000人余り。国際交流、外国語教育に力を入れていて、外国語学部日本語学科には1学年120名の学生が在籍しているとのことです。

本学はこの杉達学院大学と2008年から協定を結んで以来、学生の交流を活発に行っています。毎年、2~4名を互いに派遣しあっているほか、国際交流基金海外日本語教育インターンシッププログラムで、恵泉の学生が杉達の日本語学科で教育実習を行い、あるいは杉達の学生が恵泉のキャンパスで日本語と日本文化を学ぶサマープログラムなどを実施しています。

国際交流課副課長(張楽風氏)のご尽力をはじめとして、杉達の教職員の方々の恵泉生に対するケアは大変手厚く、留学した恵泉生は杉達学院大学のファンになって、帰国後も友好的な交流が持続されています。

ご訪問当日は、学長室での贈り物の交換と懇談の後に、学内を見学され、杉達からの交換留学生やかつて語学研修生として杉達に留学した恵泉の学生たちとの語らいのひと時を楽しまれました。
チャペルではパイプオルガンの演奏を聞かれたり、日本語日本文化学科2年の相澤優伽さんから書の贈呈(一期一会、黄鶴楼など)も行われました。
相澤さんはもともと書道に関心があり、王羲之の作品を実際見てみたいと「上海博物館」を訪れたところ、館長による書道作品の解説を聞く機会に恵まれたとのことです。また研修で訪れた揚州が中学校国語(漢文)「黄鶴楼にて孟浩然の 広陵に之くを送る」の舞台となっていたこともあり、漢詩を再録して杉達へのお礼にしようと思い立ったとのことです。

杉達学長と学長室にて
学長室で贈り物の交換
チャペルにて
留学生たちと語り合う李学長ほか

今年は杉達と恵泉との協定締結からちょうど10年目。
李学長は「十年偉大なり 二十年恐るべし 三十年歴史なり 五十年神の如し」*①「十年樹木、百年樹人」*②という中国の諺を引用されて、これまで両大学が積み重ねてきた交流の意義を称え、この先も継続することの大切さに触れたお言葉をくださいました。

①十年継続することは、偉大なこと。二十年継続することは、恐るべきこと。三十年継続すれば歴史になり、五十年継続するに至っては、神の如き。

②十年かけて木を育て、百年かけて人を育てる。人材養成には長い目でかかわることが大切。

恵泉の国際交流プログラムはただの語学研修にとどまりません。むしろ若い世代が一人の個人として異なる文化と歴史に触れ、互いに理解を深めることで、やがて世界・アジアの平和へと貢献するネットワークへと拡がっていくことを願っております。
今回の表敬訪問で李学長からいただいたお言葉をしっかり心に留め、今後とも杉達大学をはじめとした国際交流につとめ、末永い視点で若い世代を育てあっていきたいと思います。