恵泉祭のテーマは学生が決めていますが、今年の「羽ばたく」にこめられた学生たちの思い、すなわち、"大空に美しく舞い上がりたい"との思いは、日々、学生の傍らにあって、その学びに寄り添っている私たち教職員の願いでもあります。大空に向かって翼はためかせながら飛んでいく姿を想像するとき、多摩キャンパスでの日々が、いつかその日のために豊かな実を結ぶようにとの祈りに、喜びと使命感を新たにいたします。

ただ、大空からどのような景色が見えるかを思うとき、不安も禁じ得ません。
戦争・紛争・経済格差と貧困・排除と差別、等々、近年の社会情勢は平和の断裂に他ならないからです。その危機に凛として立ち向かう真摯な姿勢と覚悟が、今、内外を問わず求められていることを痛感するにつけて、「はばたく」に込められた学生たちの未来への希望と勇気に、迎えつつある時代の不透明感に明るい光を見る思いです。