私の考える「生涯就業力」~6 大学で活躍する卒業生たち(2)

2019年10月28日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

今週も、先週に続いて、多摩キャンパスの事務職員として活躍する恵泉女学園大学・短大の卒業生たちが考える「生涯就業力」について、お届けいたします。
なお、先週もお伝えいたしましたが、来週11月3日(日)の恵泉祭で、卒業生たちが在学生たちと「生涯就業力」について語るシンポジウム(卒業生シンポ「卒業生にみる『女性のキャリアと生涯就業力』」)が予定されております。
ぜひ、皆様のご参加をお待ちしております。

波多 真友子(教務課)

大学4年生の時に、タイ長期フィールドスタディへ参加をしました。今はその経験を生かして教務課でフィールドスタディや留学など主に海外プログラム関連業務に携わっています。

私の考える「生涯就業力」
どこにいても、何をしていても自分らしく生きていく力。これが私の考える「生涯就業力」です。
私は学生時代、何かに秀でているわけでも、すごく真面目に授業に取り組んでいるわけでもなく、大勢の中の一人として過ごしていました。ただ、恵泉での授業は私にとって、いつも新鮮で目新しい視点や考え方を与えてくれました。
長期フィールドスタディに参加し、大学生活で得た知識や自らの体験をもって実践することにより、私は私の考える「生涯就業力」に気づくことができました。社会の枠組みにとらわれないオルタナティブな生き方があっていいこと、また自分に自信を持って歩みを進めていくことの重要さは、私の中でぶれることのない軸として存在しています。
多くの学生と接する日々の業務を通じて、私はかつて自分が恵泉で得た学びや人生を変えてしまうほどの出会いや経験を、後輩たちへ還元していきたいと思っています。そして、これからもどこにいても何をしていても、私らしく生きていけるように努力していきたいです。

三木沙織(入試広報室)

大学卒業後は、信販業界に就職。その後、恵泉女学園に入職。子ども(男の子2人)がウルトラマン好きのため、最近はウルトラマン情報を入手するのが趣味になりつつあります。

私の考える「生涯就業力」
ウェブサイトに「生涯就業力」の説明として、生涯にわたって"自分らしく生きる力"という記載があります。
自分らしく生きるという事は思っている以上に難しい事です。自分らしさとは何かと問われれば、即答出来る人は少ないかも知れません。ですが、私自身自分らしくあるために大事にしている事があります。それは、自分の意志をしっかりと持つことです。人は一人で生きていく事は出来ないので、意図に反して相手に合わせることが必要な時もあります。そんな時、ただ人の意見に流されるのではなく、どんな時も自分の中にしっかりと考えを持ち、責任を持つことが大切だと思うのです。例えば、学校生活や受験で悩んだ時、就職先や将来に不安を覚えた時、仕事でつまずいた時、子育てに疲れた時、落ち込んだ時etc...。人に助けられながらも、最終的には自分の事は自分で決める。その結果が良くても悪くても、必ず自分の力になります。そうやって、自分と向き合い、良し悪しも受け入れることが"自分らしく"いるために必要だと思っています。「生涯就業力」とは、未知の自分があると信じて突き進む力とも言えると思います。学生時代から現在にかけて、自分の生き方について考えるきっかけを与えてくれる恵泉での日々に感謝しています。

豊岡直子(キャリアセンター)

趣味は旅行と食べ歩きです。大学時代にドイツフィールドスタディに参加してからは、ドイツの魅力に目覚め、可能な限り、出かけるようにしています。もちろんドイツだけなく、国内外問わず、様々な場所を訪れて刺激をもらっています。

私の考える「生涯就業力」
私の考える「生涯就業力」とは"柔軟な考え方を持つこと"と"覚悟を決めて取り組むこと"だと考えます。大学では、ドイツ文学を通し、物事の見方とは立場や状況によって違ってしまうことを学びました。また、ドイツフィールドスタディの経験も"一つの方向からだけで物事を判断してはいけない"と気付く大きな機会でした。人は様々な背景を持ち、それを基準として物を見るものだと知るようになったことは、私の価値観を広げる大きな転機だったと思います。
アルバイトとして恵泉に採用されてから、教務、入試、本部管財での配属を経て、現在はキャリアセンターで働いています。思いがけない配属に自分に出来るだろうかと思うこともありましたが、どの仕事も充実していて、今では多くのチャンスをもらえたことに感謝しています。このように人生は思うように行くことばかりではありません。だからこそ、どんな状況でも楽しみながら、前向きに取り組むことが大切だと感じています。

西谷琴歌(キャリアセンター)

短期大学卒業。5年前よりパート職員として恵泉に勤務し、現在はキャリアセンターにて学生の皆さんの就職活動のお手伝いをしています。趣味は、スポーツ観戦、映画鑑賞、フラワーアレンジメントなど。

私の考える「生涯就業力」
私は短期大学在学中、緑豊かな多摩キャンパスで2年間を過ごしました。当時はまだパイプオルガンを備えた素晴らしいチャペルはありませんでしたが、初めて触れる「聖書」の授業や礼拝など、とても新鮮に感じたものでした。私がずっと心にとめてきた恵泉スピリットは、"自分を大切に思うのと同じように、大切な他者がいる"ということ。縁あって、母校で働くようになり、その精神が今も根付いていることを嬉しく思っています。
卒業後は、正社員や派遣社員として働き、結婚後長らく子育て中心の生活をしてきました。その間夫の海外赴任に同行し、言葉や文化の違う場所に身を置いたことは、多様な価値観を知り、自分を見つめる良い機会となったように思います。どこにいても、自分らしく、前向きに歩む。私の考える「生涯就業力」とは、その時々で自分の置かれた環境を柔軟に受け入れ、人との出会いを大切に、自ら楽しみながら学び成長することです。

土屋昌子(地域連携室)

剣道2段、アーキビスト。短大の園芸生活学科卒業後、食品化学の研究室で2年間副手、寮の副舎監を17年、その後学園史料室(世田谷)で9年の勤務を経て2014年から大学へ異動。

私の考える「生涯就業力」
大学の前身にあたる短期大学園芸生活学科での学生時代、わずか2年間でしたが中身の濃い、人生を決する時を過ごしました。不本意入学でしたが、全国各地から学びたいものをもって集った同級生たちとの出会いによって、いつしか自分が変えられてゆきました。彼女たちから学んだものは自分で自分の学ぶ大学を選んでいるという自覚と誇りです。公立高校出身の私は、当時私たちが押し付けられていた偏差値教育のかせを軽々と飛び越えている彼女たちの姿に驚き、「教育」というものの価値に目を開かれ、誇りをもって母校を愛する心に接し、育てられたと思います。舎監としての日々の中で、課題解決のためにときには何時間も費やして議論し、寮生活全体をまとめていく力を養った信和会のリーダーたちの頼もしい姿も忘れることはありません。泊りがけの修養会もあり、絶対他者としての神も含め、他者との出会いを通して自己変革をせまる恵泉教育の伝統のなかに、「生涯就業力」の原点があると考えています。