恵泉ディクショナリー

バーチャル・ウォーター国際社会学科

[ばーちゃる・うぉーたー]  virtual water

バーチャル・ウォーターとは

日本のここ数年間の食料需給率(カロリーベース)は40%程度にとどまっている。これは、60%相当の食料を海外からの輸入に依存していることを示している。食料の生産には、水は不可欠であり、食料を輸入するということは、海外で生産された食料を通じて、水を輸入していることを意味する。このような水はバーチャル・ウォーター(間接水あるいは仮想水)と呼ばれる。つまり、食料を輸入している国(消費国)において、もしその輸入される食料を生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定(仮想)したもので、ロンドン大学東洋アフリカ学科名誉教授のアンソニー・アラン氏が1999年にはじめて紹介した考え方である。これを受けて、東京大学の沖大幹教授らは、日本の仮想水の総輸入量は約640億m3/年と推計しており、これは、日本国内での総水資源使用量約900億m3/年の3分の2程度にあたり、そのうちの約6割がアメリカからであると推計している。
例えば、1kgのトウモロコシを生産するには、農業用水として1,900ℓの水が必要で、さらに、牛はこうした穀物を大量に消費しながら育つため、牛肉1kgを生産するには、その約20倍(20.600ℓ)もの水が必要ということになり、アメリカから輸入されたる牛肉1㎏は20トン相当の水の輸入ということになる。ちなみに、牛丼一杯では、ほぼ2,000ℓの水が必要という試算がある。
なお、関連する言葉として、エコロジカル・フット・プリント、フード・マイレージがある。
恵泉では、国際関係・環境・開発にかかわる分野の国際関係入門、国際協力論といった講義でこれらの用語の説明が行われている。

2012年10月11日 筆者: 谷本 寿男  筆者プロフィール(教員紹介)

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