恵泉ディクショナリー

ビッグプッシュ理論国際社会学科

[びっぐぷっしゅりろん]  big push theory

ビッグプッシュ理論とは

開発途上の国々が先進国のように成長を遂げるためには、低所得→低教育→低所得という低位均衡状態の貧困の罠から高位均衡へ移行する手段として、海外からのビッグプッシュ、つまり大きな一押しがあれば、低位均衡からテイクオフ(離陸)するというのがこの理論である。このため、インフラ整備を進めることで民間部門の投資を促し、工業化をさせることで経済を成長させることを推進する考え方といえる。
その手段としては、先進国からの援助、海外の民間資金の導入、貿易の拡大、海外からの技術の移転、人口の移動(国内の余剰人口の海外への移動や海外の優れた人材の受入)があり、先進国による国際協力・ODAの正当化の理論的裏づけとなっている。
関連する用語としては、貧困、貧困の罠、テイクオフ、国際協力・ODA、技術移転、トリクルダウン効果
恵泉では、国際関係入門、国際協力論、ODA論といった講義でこれらの用語の説明が行われている。

2012年11月19日 筆者: 谷本 寿男  筆者プロフィール(教員紹介)

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