オンラインチャペルアワーについて

2020年06月22日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

新型コロナウィルス感染拡大によって、私たちの生活は一変しました。当たり前のように思っていたことができなくなったり失ったりして、改めてその大切さに気付かされることのなんと多いことでしょうか。

私にとって、その一つが礼拝の時です。ここしばらく教会での毎日曜日の礼拝に行くことを自粛せざるを得なくなりました。なにより大学のチャペルアワーも大学閉鎖が続いている中、開催されていません。1限目が終了した後のひと時、教職員や学生が共に祈るひと時がどんなに貴重なものだったかと思えてなりませんでした。
そんなとき、動画でのチャペルアワーのお知らせがキリスト教センターから届きました。
関本恵美子先生のパイプオルガンの美しい響きに続いて、宗教委員長藤田智先生の聖書拝読と感話を聴きながら、心洗われるようなひと時でした。

この動画チャペルアワーを企画したお一人、キリスト教教育主任の宇野緑先生からのメッセージをお届けいたします。

3月頃の段階では、新学期からのチャペルアワーは、チャペルの座席は間を空けて座ってもらうこと、手の消毒、換気の徹底などの対策を考えていましたが、学生、教職員の大学立ち入りが制限され、授業はオンライン化に。真っ先に、チャペルアワーはどうなるの?このまま春学期間は休止?と動揺していました。どうすればよいか宗教委員のメンバーで考え、検討した末、チャペルで撮影したものを編集し、動画で流す、ということでスタートすることにいたしました。(様々なお立場の方々に担当していただくため、学内者のみの限定公開です)。現在、7週目まで学内で共有され、慣れない編集作業も徐々にスムーズに進められるようになりました。

2週目からは、チャペルアワーの始まりを告げるカリヨンの音色に合わせ、日々移りゆくキャンパスの木々、草花を写真でお届けしています。新入生の中にはチャペルはもちろん、キャンパスにまだ一度も来ることがかなっていない学生さんもいます。そのような方々にも豊かな自然があふれるキャンパスの様子が少しでも伝われば、と願っています。
これまで私にとって礼拝は、「チャペルに集った方々と共に分かち合うナマものであり、語られたメッセージはその時だからこそ与えられる恵み」という思いがあったので、このようなオンラインで記録される形に抵抗がなかったわけではありません。また、恵泉のチャペルのもつ響きとぬくもりを感じながら過ごすからこその「恵泉のチャペルアワー」なのではないかと考えていました。
しかし約1ヶ月が過ぎ、今思うことは、これまではチャペルに集えなかった方々を切り捨てていたことにもなっていたのでは、ということです。現在は、視聴が可能な時間と場所をご自身の都合に合わせることができます。特に、通常ですと教職員は業務や学生対応に追われ、なかなかチャペルに足を運ぶことがかなわない方も多くおられますから、今は同じ「時間」を皆さんと共有できている、と考えられます。

それぞれ10分程度の動画です。キャンパスの写真、オルガンのあたたかな音色、聖書の言葉、そしてメッセージを通して、気づきや励ましが与えられるよう心から祈っています。
このコロナ禍の今、できない中だからこそ、見つけることのできた様々な新たなチャレンジを出会いの時として受け止め、今は離れているけれど、この与えられた状況の中、この先に訪れる希望を信じ、希望を持ち続けて生きようとするみなさんと繋がっていると信じて、ともに歩んで参りたいと思います。
チャペルに多くの教職員・学生が集い、賛美の声があふれるときが戻ってくることを祈りつつ...。

宇野緑

パイプオルガンを奏でる関本恵美子先生
感話を述べる宇野緑先生