教育方法・インストラクショナルデザインの実践 日本語日本文化学科

2022年08月09日
 投稿者: 水上晃実(教育学)
 ゼミ/授業名:水上ゼミ(3年ゼミ)

教育方法におけるインストラクショナルデザインと教師-生徒コミュニケーション研究の理論を学んだあとに、実践としてグループごとに授業案を考えて模擬授業を行いました。今回の目標は、ARCSモデルを使いながら、児童・生徒を惹きつける授業を行うことです。題材も対象学年もグループ内で話し合って自由に決めてよいことにしたところ、下記のような授業が考案されました。授業に使ったトランプ、カルタ、日本地図などはすべてゼミ生の手作りです。

  • Aグループ「ババ抜きをしながらアルファベットを覚えよう!」(対象:小学生)
  • Bグループ「〇〇と言えば!ゲームで正の数・負の数を理解しよう」(対象:中1)
  • Cグループ「カルタで地図記号を理解しよう!」(対象:小学生)
  • Dグループ「地図パズルで都道府県を覚えよう!」(対象:小学生)

Aグループ

Aグループのアルファベットトランプは、小文字と大文字に同じイラストをつけて、絵を合わせることでどちらも一緒に覚えていくという工夫がされていました。

Bグループ

「○○と言えば!?」という質問に、学習者が答えを紙に書いていきました。「このゲームがどのように正負の数の理解に繋がるの??」と、生徒役のゼミ生たちも興味津々でした。その答えは...!?

Cグループ

地図記号でカルタゲームをしながら、実際にその地図記号が表すものを画像で提示して学習者に見せていました。同じ「交番」でもどの画像がわかりやすいかな?と画像選びでも学習者の立場になって真剣に取り組んでいました。

Dグループ

小さいパーツの日本地図パズルを一生懸命作っていました。授業ではパズルをするだけではなく、より楽しく日本の都道府県を覚えられるように、都道府県の歌も紹介してくれました。歌を口ずさみながらパズルに取り組む生徒役のゼミ生もとても楽しそうでした。

4グループとも学習者がいかに楽しく学ぶことが出来るかを一生懸命に考えて授業を組み立てていました。今回はゼミ生にとってはじめての模擬授業でしたが、心を込めて準備をした授業はどれも学習者を惹きつけるものでした。理論を学んだ後の実践ということで、どれだけ実際の授業に机上の学びを落とし込めるかというハードルがありましたが、どのグループも見事にそのハードルをクリアし、いつしか授業者も学習者も模擬授業を心から楽しんでいる様子が伺えました。

担当教員:水上 晃実

「分かりやすくて楽しい授業」について研究しています。勉強は分からないと楽しくないし、楽しくないと続きませんよね。「今日の授業はおもしろかったな。」と生徒の皆さんに思ってもらえる授業には、実はいくつかの秘密があって、その秘密を探ることが教育方法という研究分野なのです。また、授業は教師が一人で行うものではなく、生徒の皆さんと一緒につくり上げるものですから、教師と生徒の円滑なコミュニケーションも欠かせません。教師と生徒が一緒に楽しく学べる効果的な授業とは?それが私の研究テーマです。

水上 晃実