講義「タイのプラスチックごみ問題解決のための取り組み」

2022年09月01日  投稿者:IS3年 A.K

サワディーカー!今日は「タイのプラスチックごみ問題解決のための取り組み」について話したいと思います。私たちはチェンマイラーチャパット大学、理工学部工業技術学科のDr. Wechsawan Lakas<ニックネームはパオ>先生が取り組んでいる使い捨てプラスチックを削減するためのプロジェクトサイトを訪問し、パオ先生から話を伺い、プラスチックごみを使ったアップサイクル製品のブロック作り体験をさせていただきました。

パオ先生のグリーンロードプロジェクトでは、使い捨てプラスチックの削減運動、プラスチックを再利用するためのごみ分別運動、アップサイクル製品の製作、使い捨てプラスチックでアップサイクル製品を作るために、使い捨てプラスチックの寄付などを人々に呼びかけています。アップサイクル製品として制作した道路、ブロック、机、ベンチなどは、学校、寺、公共の公園、共有スペースに寄贈しています。

パオ先生がプラスチックごみ問題に取り組むようになったきっかけは、今から10年ほど前、タイのきれいな海を息子に見せるために海へ連れて行った時に見た光景にショックを受けたからだそうです。息子さんは楽しそうに海で泳いでいたそうですが、パオ先生には息子さんが海に浮かぶプラスチックごみと共に泳いでいるように見えたそうです。「プラスチックごみ問題を何とかしなければいけない。始めるには遅いかもしれないが始めないよりはいい。」と思い、プラスチックごみ問題を解決する取り組みを始めたと話してくれました。

グリーンロードと呼ばれる使い捨てプラスチックを利用して作った道路には、道路1km当たり3トンの使い捨てプラスチックが使われているそうです。プロジェクトサイトには、一袋約3kgに分けられた大きなビニール袋がたくさん置かれていたのですが、それを1000袋使うと聞いた時、その量の多さに驚いたとともに、それだけのプラスチックごみがあること、それもタイ全体のごみからするとほんの一部であると聞いて、更に驚きました。現在は、タイ全国からきれいに洗われた使い捨てプラスチックが1日に50から100ぐらいの小包で送られてくるそうです。

パオ先生の話を聞いて、実際に山積みにされた小包の量を見て、タイのプラスチックごみ問題が非常に深刻であることを実感しました。タイでも日本と同じように、ごみの分別をすることになってはいますが、捨てる人によって分別の解釈が曖昧で、実際はしっかり分別されていることは少ないそうです。そのような中、まず自分の日常生活を振り返り、自分がどのようなプラスチックごみを出しているのか、自分が一番出しているプラスチックごみの分別から始めることが大切だとパオ先生はおっしゃっていました。

ペットボトルのキャップで作った机
細かくした使い捨てプラスチックを一袋3キロ、袋詰めしたもの
使い捨てプラスチックを使ったアップサイクル製品のブロック作り体験中
タイ全国から送られてきた使い捨てプラスチックの小包の山の前で、パオ先生と記念撮影