共有林と持続可能な農業の活動をしているメーター地区を訪問

2015年10月02日  投稿者:人間環境学科3年 楢崎唯

10月から2ヶ月に渡って実施する学生それぞれの関心テーマにあった体験学習先を決めるため、今回は私の体験学習候補先であるチェンマイ県メーオン郡にあるメーター地区に訪問し、環境・農業系NGOグリーンネットの職員であり、地元農民であるプイさんとプイさんの父親のパットさんに話をうかがってきました。この地区の特徴は、地区全体が有機農業をベースとした持続可能な開発を進めていることです。地域銀行を創設して地域の中でお金をまわし、雇用を生み出して若者が定住できる仕組みづくりを進めています。地域の人々はNGOや政府の支援を受けながら、自分たちで自分たちの暮らしをマネージメントできるよう活動に取り組んでいますが、その背景には農民の苦難と努力の歴史がありました。

約300年の歴史をもつ村々は先祖代々から受け継がれてきた文化や知恵をもとに、農業を営んできました。いまから約30年前、大企業の誘いを受けた農民たちは、近代農法によるベビーコーン栽培を始めました。最初の年は収穫量に見合った収入を得られましたが、年を重ねるごとに収入は変わらないのに化学肥料や農薬等が値上がりし、次第に借金を抱える農民が増えていったのです。稼いだお金は子どもの教育費などに充てましたが、学校にいくために外にでる子どもたちは、卒業後も村を離れていきました。

問題が深刻化する中で農民たちは自分たちの暮らしを見つめ直し、外からの協力のもと、有機農業という道へのシフトを選択しました。現在も全ての農民が有機農業に取り組んでいるわけではありません。ですが、地域で循環できる社会を築くために、有機農業に限らずアクティビティをおこなっています。例えば、自分たちが利用する森林を自分たちで管理する森のことを"コミュニティ・フォーレスト"といいますが、メーター地区でも地域全体で取り組んでいます。

お父さんが若い世代に対して呟いた言葉が印象に残っています。「自分たちが自分の地域の"オーナー"になってほしい」。自分のことを管理するだけではなく、自分の地域のことも管理する。わたしたち日本の若者にも、同じようなことが問われているように感じました。

プイ産の家の有機の畑