EC座談会 英語コミュニケーション学科

2022年11月16日

司会:越智
参加者(敬称略):金沢、黒須、広木

英語コミュニケーション学科で現在学んでいる1-4年生に集まってもらい、なぜこの学科を選んだのか、大学でどの様なこと学んでいるのか等についてお話を伺いました。

金沢:
英語コミュニケーション学科1年の金沢です。

黒須:
3年生の黒須です。Ken Fujioka先生のゼミに所属しています。

広木:
4年生の広木です。ゼミ担当は、私もKen Fujioka先生です。

司会:
Fujioka先生のゼミから二人ですね。金沢さんのゼミ担当はどなたですか?

金沢:
漆畑先生です。

司会:
漆畑先生ということであれば、多文化のゼミ*1ですね。それではみなさん、よろしくお願いいたします。
*1「多文化ゼミ」は、所属学科以外の先生が開講しているゼミ)

進学する大学を選ぶのは、その後の人生を左右する大きな決断です。現在英語コミュニケーション学科に所属している先輩方は何を基準に選んだのでしょうか?

金沢:
なんで英語コミュニケーション学科を選んだかというと、元々英語が好きだったからです。昔から日本と外国の文化の違いを知ることに興味があり、こうしたことに関連したことが学べるとこの学科を感じ選びました。
入学以前から、恵泉が少人数教育を行っていることは知っていたのですが、グループワークや発表する機会が多い点などで高校と違うと感じています。

黒須:
高校時代、大学を選択する際に、自分がやりたいことを学ぶか、就職のことを考えて学部を選ぶのかの二択が、私の前にありました。

最初は就職を考え、経済学部などを選ぶのが良いのかとも思い、模擬授業などを受けに行ったのですが全く興味を持てなかったのです。

そこで『どうせ大学に行くのなら興味があることを学びたい』と恵泉の英語コミュニケーション学科を選びました。
基本的に座学の勉強より、コミュニケーションを主体にした「生きた英語」を学びたかったのでこの学科に興味がわいた訳です。

しかし私が恵泉を知ったのは出願の2週間前。高校の頃のイメージでは、大学の授業は教授も見えないくらいの大教室で行われるものだというものでしたが、恵泉入学後に日常的に体験するようになった、少人数授業や、先生と学生の距離が想像以上に近いことに、嬉しい驚きを感じています。

広木:
私が英語コミュニケーション学科を選んだ理由は、幼いころ英会話教室に通っていて、それが楽しかったという原体験があるからです。

海外の文化にも興味があります。英語を通じていろいろな国の人々と話をしたい、多くの異なる文化に触れてみたいとの思いもあることからこの学科を選びました。

入学前は「英語コミュニケーション学科」という名前から、英語を使って難しいことをやるのかなと思っていましたが、そうではなく、1年生時は基礎固め、または基礎が出来ている人は次のレベルからで、次第に難しくなり、段階的を踏みながら、確実に英語力を高度なレベルに上げて行くのです。

高校と大学の学びの違いを、特に英語という観点からお話してもらいました。大学の英語では、これまでに学習してきた英語を積極的に使っていくことを目的に授業を展開しています。

金沢:
高校の英語授業では、先生が教科書を読み、文法やボキャブラリーを中心に学びました。生徒は先生の言うことを繰り返すことで基礎を学ぶ授業です。

それに対して、大学の英語の授業の多くは、英語で授業が行われ、意見が求められ、グループディスカッションもおこなうのです。学び方が高校とはまったく違う! それこそが大学ならではの授業だと感じています。

黒須:
高校の英語は、テストや受験勉強のため、というのが私のイメージでした。
それに中高の時に、年1,2回しかなかったネイティブや外国の先生方の授業が、大学では毎日あります。中高ではそんな授業の時には、下を向き、目を合わせないようにしていれば良かったのですが、毎日、このような機会がある大学ではそうはいきません。必死に先生方とコミュニケーションを持たざるを得ないのです。

広木:
高校の授業は、英語を学ぶことが目的ですから、文法などの勉強が中心です。しかし大学の英語は、それだけに収まりません。英語を使って社会問題や国際問題などを学ぶのです。つまり英語の勉強だけが目的ではなく、将来の目的を達成するために英語をツールと使うことを体験として学ぶのです。

英語を使う授業が多くなる分、高校の頃と比べると授業内で文法や単語を勉強することは少なくなります。そこで、足りない部分は授業外の時間を使って補っていく必要があります。先輩方はどの様に勉強しているのでしょうか?

金沢:
英語を身につけるため、私は授業で習った単語を合間の時間に繰り返し学び直しています。また話すことが好きなので海外の友人たちと電話で話したり、英語でメールを書くことを毎日の習慣として続けています。

黒須:
私も授業の課題は必ず終えるようにしています。
またTOEICの勉強だけに集中してやっても行き詰ってしまうので、海外ドラマやインスタの海外のコンテンツを見ることで、リスニング力を上げることができていると感じています。

広木:
強いられた「勉強」と思っていると、学習意欲は長続きしません。そこで簡単な工夫ですが、日常生活をできるだけ英語漬けにしています。
例えば、海外ドラマを英語で見る。携帯電話の設定言語を英語にする、などの小さな工夫も、毎日の生活では大切になってきます。
また、大学の授業では、外国人の先生が担当されている授業や、英語で行われている授業*2をたくさん取るようにしています。

*2(英語を学ぶのではなく、英語で学ぶ授業。授業名が英語の科目は原則、英語で授業が行われている。また、Global Challenge Program (GCP)と呼ばれる全学科対象の選抜プログラムもある。GCPに所属すると、通常の英語の授業以外に1年生の段階から英語で学ぶ授業や、授業外に英語を使った活動ができる。GCPに所属しなくても、前述の英語で行われている授業を履修することは可能。
大学の大きな特徴のひとつは「ゼミ」と呼ばれる特定のテーマを少人数で考える授業だ。恵泉では1、2年生の間に4回、異なる先生のゼミを受講し、興味がある分野を探していく。
3年~4年生は、同じ先生の下で学びを深め、卒業論文を書いていく事になる。英語コミュニケーション学科では、英語・日本語どちらの言語でも卒論を書くことができる)

現在の興味、ゼミ・卒論について聞かせてください。

金沢:
高校でも卒論のような課題研究があり、私はその時、アジア人の人種差別について調査をしたので、大学でもそうしたテーマを研究したいと思っています。現在受講している「日本語能力」*3の授業では、アメリカにおけるアジア人差別を扱っているので、それらをもっと深めて学んでいければとも思っています。

*3(日本語能力の授業は論証レポートを書く上で必要な理論(方法・手順)やプレゼンテーション力を養うための講義と、それを踏まえた実践を通して言語力を育成する必修科目)

黒須:
私も「差別」というテーマに興味があります。現在取っているゼミも「差別」をテーマにしているので、そうしたことを学ぶ機会が多いのです。海外にはまだ行ったことがありません。そのため実際に外国の生活で差別を受けた経験はありませんが、アジア人が差別されたというニュースを見ると、自分自身が差別を受ける可能性もあると感じるのです。その時のための学びを今始めたいのです。

広木:
私も「日本に住む外国人の子どもたちに対するいじめ」をテーマに卒業論文を仕上げる予定にしています。差別問題を考える際、日本人やアジア人が、海外で受ける差別を扱うことが多いようですが、私たち日本人も、時には差別する側にいることを忘れないでいたい。それは今、日本の子どもたちの間でも起こっているイジメとも通底する問題ですから、社会が全体として考えなくてはいけないテーマでしょう。

英語で卒論を書くことについて聞かせてください。

広木:
決して簡単ではありません。英語の論文は、日本語の論文と、そもそも形式が異なっている場合も少なくありません。執筆するにあたって先行研究の多くも英語です。「日本語の文献を読んでも良い」とは言われていますが、やはり文献は英語の論文が中心になります。専門用語も多く、それを理解するのが大変です。

司会:
私のゼミとメズルール先生、Fujioka先生のゼミは、原則英語で卒業論文を書くことが前提です。学生のみなさんは、これらのゼミを選択する時に不安や葛藤はなかったでしょうか?

黒須:
ありました、すごく! でも、せっかく恵泉に入り、「英語コミュニケーション学科」に入ったのだから、挑戦してみたいと、英語で卒論を書く先生のゼミを選んだのです。

司会:
私のゼミ説明会の時も、英語を理由に迷っているという学生は多かったのです。その際は、黒須さんが言ったようなことを、私も学生に伝えました。
「せっかく英語コミュニケーション学科に所属しているのだから、英語で書いてみよう!」と。
サポートはするし*4、興味があることをやった方がいい。
特に卒論は長い期間をかけて書いていくことになるから、嫌になる時期もあるわけです。その時、好きで、興味があるテーマだと、やっていこうというモチベーションを保ちやすい。興味のないテーマだと、そういう時に大変なのです。

*4(各ゼミの先生のサポートの他に、ライティングワークショップやライティングチューター制度がある)

司会:
完全に自分の興味とマッチする先生がいない場合もあるでしょう。しかし、恵泉の良いところは、柔軟にゼミの先生が研究テーマをバックアップしてくれることです。英語コミュニケーション学科だけではなく、他学科の先生のゼミを取ることもできるので、それを探してみるのもいいのです。

大学生活は自由が増え、自分で考え行動する機会が増えます。大学生活を通じてどの様な成長を感じているかを聞いてみました。

金沢:
高校までは、いろいろなことが中途半端で続かないことが多かったのですが、大学に入ってから、様々に異なる人々に接する中で、もっと上手くやろうと改めて思えるようになりました。

黒須:
私の場合、GCPに入ったのがとても大きかったです。
すごくハードでしたが、それは自分にとって、やらなければならない事で、必要な環境だったのだと感じています。

またコロナ禍の影響から、入学後、最初の2年間がオンライン授業で、勉強方法を確立しなくてはならないのが大変でした。しかしその一方で、こうした時間があったからこそ、自分を律し、プラニングや改善方法を学べたのだと今は感じています。

広木:
授業では「社会問題」を考える機会が多いので、プライベートでニュースを見ている際にも、自分に関連づけて考えるようになっています。

最後に一言お願いします

黒須:
この大学のいいところは絶対に少人数の授業でしょう。ディスカッションを英語でする機会がもっといっぱいあるのも良い点でしょう。高校生の頃は中々体験することができないので、これは絶対に大学の良いところだと思います。

広木:
授業で発言しやすいところがいいと思う点です。また、自分が意欲的に何かをしようとする際に、先生が的確な助言やサポートをしてくださるのが、この大学の良い点だと感じています。

金沢:
私もお二人がおっしゃるように、少人数教育がこの大学の特徴だと思うので、グループディスカッションが気軽にできる点や、気軽に先生に相談できるところが絶対に恵泉の良いところです!

担当教員:越智 健太郎

I am interested in how we learn and best teach a second language. My area of interest includes teaching methodology (how we teach), materials development (with what we teach), and using technology for learning.

越智 健太郎