恵泉蓼科ガーデン見学 歴史文化学科

2011年08月18日
 投稿者:西村 悟郎
 ゼミ/授業名:西村ゼミ(園芸・庭園文化)

西村ゼミでは2、3、4年生合同の30名のメンバーで7月9日に長野県茅野市にある恵泉蓼科ガーデンを訪れました。恵泉蓼科ガーデンは海抜1150mの八ヶ岳の麓の別荘地の一角に1985年に設立されたガーデンで、木々に囲まれたガーデンの中に生垣で仕切られた様々な様式のガーデンが設けられています。当日はガーデンを管理しておられる小澤文子先生と荘司真悠子さんが一つ一つのガーデンを案内して下さり、植物についても詳しく説明して下さいました。ガーデンを見て回って、参加した全員がそれぞれに感銘を受けました。次に4名の学生の感想を紹介します。

文化学科教授 西村悟郎

この日は朝が早いということ、そして長野まで遠いということでなかなか気分が上がりませんでした。しかし、現地に着いて、先ず足を一歩踏み入れた瞬間、恵泉にこんなに素敵な空間を作っている場所があったなんて驚きました。お花の一つ一つが可愛らしく、構造も素敵で、とにかく感無量でした。学校で習った花や、授業で皆が紹介してくれた花のことは頭に入っていましたが、この日に見学に行ったことで、また新しい知識が得られました。そして、小澤先生のお話を聞いて、好きなことを職にすることは素敵なことだと気付くことができました。自分の好きなことを職にすれば、いくら大変でも乗り越えることができるし、頑張れます。見学に行ったことで新しい花の知識を得られたと共に、自分の人生についても考えることができてとてもよい機会になりました。ありがとうございました。

2年生 小林世菜

今回、初めて蓼科ガーデンを訪問して一番感じたことは、庭というのは天気や風など自然全てが庭の一部だということです。私は今まで庭を見るときに花の種類や季節のことばかり見ていましたが、蓼科ガーデンでは自然と人の協力によって美しい庭が作り出されていることに感動しました。
また、色々と伺ったお話の中で素敵だと思ったのは、よい庭の条件とバラの選び方です。よい庭の条件とは色、形、質感を大切に取り入れるというもので、一方バラの選び方は花だけで選ぶのではなくて、年間を通して楽しめるように枝、実、刺なども考えるというものです。どちらも自分が庭を作ったときの参考にしたいと感じました。わずか3時間ほどの訪問でしたが、心に残るひとときでした。

3年生 増岡由似

4時間もバスに揺られなければならないと聞いたときには正直あまり楽しみにできなかったのですが、想像していたガーデンよりずっと綺麗で華やかで、来てよかったと心から感じました。私は大学のハーブガーデンのように家庭的なガーデンを想像していたのですが、実際には花だけでなく樹木が森のようになっているところも整えられていることに驚きました。
私が蓼科ガーデンの中で一番印象的だったのはピンクボーダーガーデンとイエローボーダーガーデンでした。私はガートルード・ジーキルが作り上げたような植物の背丈だけでなく配色も考慮されたボーダーガーデンは、本の中の設計図でしか見たことがありませんでしたが、この2つのガーデンはそれに近いものではないかと思ったからです。特に、イエローボーダーガーデンは左右に赤系と青・紫系をそれぞれ混ぜていて、配色の仕方が素晴らしいと思いました。

3年生 高世優美加

蓼科ガーデンという庭園は、聞いたことはあったけれど、実際に行ったのは初めてだったので、その構成や多種多様な花々を見てとても感銘を受けた。ボーダーガーデンでは、同じ種類の花でも異なる色が用いられており、様々な角度から観察を楽しむことができた。フォンテンズガーデンに咲いていたデイリリーの花は一日だけ咲くということで印象に残った。また、中庭に生えていたシナノキとその情景が風景式庭園的になっており、とても心に残った場所であった。蓼科ガーデンはとても自然豊かな所であるが、このようなガーデンが出来上がるのは、小澤先生や荘司さん達ガーデナーによる日々の努力から成り立っているのだろうと感じている。

4年生 宮原由圭

ヤマボウシの花の前で

モナルダ(タイマツバナ)

ルドベキア

ギボウシ

担当教員:西村 悟郎

恵泉蓼科ガーデンは日本にある英国風ガーデンとしては最も優れたもののひとつです。西村ゼミでは2年生で花壇植物を、3-4年生では英国の庭園の歴史を扱っているので、今回2-4年生のゼミ生全員で蓼科ガーデンを見学できたことは、学生にとってガーデンの様式と用いられている植物について学ぶことのできるよき機会でした。恵泉女学園大学がこの様な優れたガーデンを維持していることは学生にとって幸せなことです。

西村 悟郎