展覧会見学 日本語日本文化学科

2011年06月13日
 投稿者:稲本 万里子
 ゼミ/授業名:日本文化史演習Ⅱ(美術)

3年ゼミでは、「源氏物語絵巻」のなかからひとり1場面を選び、調べて発表することで、作品へのアプローチの仕方やプレゼンテーションの方法を勉強していますが、ゴールデンウィークの1日を使って、美術館・博物館で開催中の特別展を見学してきました。

まずは、竹橋の東京国立近代美術館で「生誕100年 岡本太郎展」を見学。チケットを買うまで20分、入館するまで15分。思った通り混んでいました。ひとりはコンビニで事前に購入したと、やるなぁ。全員揃ったところで会場に入るも、あまりの混雑にバラバラに。 観客層は、いつもの日本美術の展覧会よりも若干若めで、万博を懐かしがる層と、美大生かデザイン学校生のような学生が多かったですね。構成は、「対決」をキーワードに、岡本太郎の事績をたどるというもの。岡本太郎好きなゼミ生が、大感激していました。

次は、上野に移動して「写楽展」と「手塚治虫のブッダ展」を見学。「写楽展」は、入場制限をしているかと危ぶんでいたら、そうでもなかったので入館したら、会場内はものすごく混んでいました。 写楽以前の役者絵、写楽を生み出した蔦屋重三郎関係の作品が続き、あれ、写楽はどこに?と思ったら、写楽の1期~4期の作品は第2会場から。第1会場の混雑に疲れてしまったのか、ここまで来るとぐっと人が少なくなります。ゼミ生たちは、彩色が綺麗に残っている作品を食い入るように見ていました。

写楽展を見終わった人から「手塚治虫のブッダ展」に移動。この展覧会は、『ブッダ』のオリジナル原画と仏像を同じ空間に展示するという日本初の試みだそうです。 会場に入ると、『ブッダ』表紙絵の原画が並び、前世、お告げ、誕生、結婚、苦悩、出家、苦行、悟り、説法、瞑想、涅槃とブッダの生涯をたどるかたちで、漫画の原画とそれに合わせた仏伝図、誕生仏、菩薩立像、仏立像、仏涅槃像などが展示されています。 会場の中央には、深大寺の伝釈迦仏倚像が、最後のコーナーには、ブッダ以外の登場人物の原画が展示されていました。

会場は、本館特別5室という大階段裏の展示室です。たったひと部屋の展示で一般800円、大学生600円は高いなぁと思っていたら、案外面白かったようで、みな、600円は高くないと言っていました。 よかった、よかった。ただし、ひと部屋では狭すぎる、もっと広い部屋で開催してもらいたかった、仏像を後ろから見ることができるようにしてもらいたかった、など、いろいろな意見が出ました。

連休の中日にそんなに見られるわけがないと反対されたものの、何とか予定を消化。終わったあとは、私が大学生の頃によく行った焼鳥屋へ。ゼミ生が予約をしてくれていました。飲み会の計画だけは早いんだから(笑)

岡本太郎展

大混雑の岡本太郎展

手塚治虫のブッダ展

担当教員:稲本 万里子

専門は日本美術史。とくに平安時代から鎌倉時代に作られた絵巻を研究しています。「源氏物語絵巻」のなかでは、どのような女性像が理想的なイメージとして描かれたのか、そして、それは誰にとっての理想像だったのか、といったことを考えています。ジェンダーや権力の視点からイメージを読み解いてみませんか。

稲本 万里子