新年のお慶びを申し上げます

2020年01月01日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

新年のお慶びを申し上げます

昨年はSDGs(Sustainable Development Goals) が社会的に大きな話題となった年でした。SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された国際目標で、2016年から2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットから構成されています。アジェンダの前文には「これらは、すべての人々の人権を実現し、ジェンダー平等とすべての女性と女児の能力強化を達成することを目指す」ことが、さらに17の目標は「No one will be left behind(誰一人取り残さない)」という基本理念に立脚していることが記されています。

昨年は台風や豪雨で多くの方々が被災されました。また3.11の被害を受けた方々も今なお復興の途上にいらっしゃいます。さらには虐待やいじめ、貧困・病苦等に苦しむ人々や子どもたちが少なくないことへの思いが募ります。
「誰一人取り残さない」というスローガンのもと、私たち一人ひとりは何ができるのかを考え続ける年としたいと思います。

恵泉女学園大学は2016年に私が学長に就任した時から、「生涯就業力」を教育理念の中核に据えております。
「生涯就業力」とは、"生涯にわたって自分らしく生きる目標を忘れず、身近な大切な人、地域・社会のために尽くして生き続ける力"です。これは1929年に世界平和を願い、女性の力が平和構築に繋がることを願って恵泉女学園を創立した河井道の女子教育の心を確かに受け継ぎ、女性活躍時代の今、真に女性たちが活躍するために必要な力として新たに打ち出したものです。まさにSDGsを先駆的に取り入れたもの、すなわち 『 「生涯就業力」 for SDGs』であると言えましょう。

ある学生の声です。

・・・「私は恵泉を卒業したら、このキャンパスで学んだことを活かして、社会のために尽くしたい。周囲の人と力をあわせ、どこにあってもなくてはならない人となりたい。それが私らしく生きることだと考えています。現実の社会を見渡すとたくさんの大きな壁が立ちはだかっていて、どうやって壁を乗り越えたらいいのか、夢と不安でいっぱいです。だからこそ、生涯にわたって活躍できるための基礎の力を身につけたいです」

こうして日々、勉学と学生生活に励んでいる学生たちの上に、神さまの見守りがありますように。そして、若い女性たちの活躍が、誰ひとり取り残さない平和な社会の構築へとつながることを願いつつ、今年も「生涯就業力」の育成に力を注いでまいります。

今年が皆様にとって、幸せに満ちた佳き一年でありますよう、お祈り申し上げます。
皆様のお励ましに日々、支えていただいておりますことに教職員一同、心から感謝をこめて、年頭のご挨拶とさせていただきます。

2020年の「学長の部屋」は1月13日より開始させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。