恵泉ディクショナリー

ラマダーン歴史文化学科

[らまだーん]  ramadan

ラマダーンとは

ラマザーンともいい、イスラー厶暦(月の満ち欠けによる太陰暦を用い、 太陽暦よりも1年が11日ほど短い)の9番目「断食月」のことです。 今年は真夏の8月半ばに始まりました。イスラー厶世界では、原則、この一か月にわたり、 日の出から日没まで飲食が禁じられます。 日頃の恵みを神に感謝し、また共通の試練を皆で乗り切ることで、持たざる人たちとの連帯感も高まるとされています。 人は実際にはいろいろな生活を営んでいるので、この義務を免除される場合もありますが、猛暑の日中、 水も飲めない辛さは日本の今夏を体験していれば想像に難くありませんね。この異常な夏は日本だけではないようで、 信仰義務の貫徹か、熱中症防止かで、今年は飲食をめぐって宗教判断が出された国もあります。 義務だ、戒律だという前に、こんな風に「しなる」ところもあるのがいいと思います。

かつてイスラー厶圏で暮らし、この聖なる月を飛ばさずに越えた懐かしい夏があります。 日の出前の朝のしじまを破り、最後の「駆け込み」組が胃袋を満たす時、調理器具の反響音が町のそこかしこから聞こえ、 特別な月を覚えたものです。もうこの先、彼らとのこんな連帯はないと思いますが、断食月の忘れられない生活音です。 宗教事典には決して書かれることのない、たっぷり人間臭い人々の生活を、ここ恵泉で少しでもリアルに伝えたいものです。

さて、この断食月は世界各地で新月を観測して、それぞれにようやく終了します。 月の見え具合が悪いと「もうちょっと(断食を)頑張りましょ」と、月観測委員会はそんなことも述べていました。

2010年09月11日 筆者: 杉山 圭以子  筆者プロフィール(教員紹介)

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