『CSLを体験して』(みどり愛育園「すずらん病棟」)
2008年11月01日
本学では木曜日を除く平日午前10時30分から10時55まで、チャペルにてチャペルアワーと題して礼拝を行っています。チャペルアワーでは、聖書の朗読、讃美歌斉唱、パイプオルガンの演奏のほかに、「感話」の時間を設けています。この感話とは、学生や教職員らが今思っていること、感じていることなどをメッセージとして参列者の前で語る時間です。
2008年10月6日(月)には2008年度春学期CSL参加学生(2名)、10月8日(水)には2008年度春学期短期フィールドスタディ参加学生(中国・アメリカ・カンボジアそれぞれ1名ずつ)が、チャペルアワーにおいてそれぞれの活動を終えての感話を行いました。
『CSLを体験して』(みどり愛育園「すずらん病棟」)
「子ども相手だし、難しいことはないだろう。」正直、それがCSLの活動を始める前の私の気持ちでした。
私は春休みにみどり愛育園のすずらん病棟にボランティアへ行きました。すずらん病棟は18歳未満の不自由児施設で、子供たちが機能訓練や生活動作の訓練をしながら生活しているところです。もともと子供が好きでしたし、難しいことはないと考えていたのです。
しかし実際に行ってみると、そううまくはいきませんでした。子どもたちは初対面の私になかなか心をひらいてくれず私自身も、なにもわからない私が出て行ったら邪魔になるのではないだろうかと考えてしまい、自分から積極的に聞くことができずその場にただ立ち尽くしているということが何度もありました。活動時間がとても長く感じられ、早く終わってほしいと感じていました。また、子供は正直です。ある男の子の食事補助を頼まれた時のことです、嫌いなおかずがあったのか男の子の機嫌が急に悪くなり、私は「もうやだ、あっちいって。」と言われました。まだ慣れていなかった私ははっきりとあっちにいってと言われ本当にショックで、活動に行きたくないと感じました。しかし、大人になってしまってからはなかなか正直に言えなくなってしまうけれど、子供はとても素直に接してくるのだという、子供の純粋さを教えられました。
だんだん通って行くうちに私の名前を覚えてくれていました。初めて私の名前を子供たちに呼んでもらった時の嬉しさは、今でも鮮明に覚えています。特に子供たちと仲良くなれたのは「お楽しみ会」と「カレー屋さん」に参加させてもらったことです。お楽しみ会では、一緒にゲームに参加させてもらいカレー屋さんでは病院内で子供たちが自分で作ったカレーを売るのを一緒に手伝ったりしました。一緒に作業をすることで自然と会話がうまれ、子供たちとの距離が近くなった気がします。
また、一緒に出かけた時に改めて車いすの大変さを知りました。普段私たちが何気なく通っている道でも車いすで通るとちょっとの段差でも乗り越えるのが困難で、ちょっとの坂でも油断したら後ろにさがってしまうのです。時間も私たちの倍はかかり、体力もとても使います。車いすでの行動がこんなにも大変だとは知らず、無知な自分が恥ずかしくなると同時に、文句も言わずに一生懸命車椅子を動かしている子供たちに感動しました。
初めは自分がなにをしたらよいのかわからず活動がとてもつらく感じ、何度も辞めてしまいたいと思いましたが、終わって活動を振り返った今みどり愛育園にボランティアへ行き、本当に良かったと心から感じています。今回CSL Iの活動から本当に多くのことを学びました。
私は今、園芸を選考しています。次回みどり愛育園に訪問したときは、子供たちと一緒に花や野菜を育てたいと考えています。一緒に外へでて土に触れ、収穫の喜びや花が咲いた時の嬉しさなどを子供たちに伝えたいです。子供たちに自信をもって教えられるように私も頑張って勉強したいと考えています。