2023年度北海道フィールドスタディ 活動報告

2024年04月12日 

2023年度の体験学習プログラムの1つとして、北海道フィールドスタディ(以下、北海道FS)が実施されました。2023年度春学期の事前学習を経て、2023年8月18日から2023年8月28日に北海道にて現地学習が行われました。2023年度秋学期には事後学習を行い、現地での学びを中心に最終的な報告書をまとめました。

北海道FSでは、アイヌ民族に関する歴史や現状などについて学ぶことを目的としています。とりわけ、現地学習では北海道各所を訪れて、アイヌ民族の文化体験や生活について知ることに加えて、アイヌ民族の人々との交流なども行いました。これらを通じて、アイヌ民族を取り巻く状況について、さまざまな文化的な部分だけでなく社会的な課題も含めて直接学ぶ機会を得ました。さらに、和人との関係についても知ることで自分たちが生きる日本社会に関する考えを深め、自分ごととして視野を広げることができました。
これにあたり、事前学習では、8月の現地学習に向けてアイヌ民族を取り巻く歴史や現状などについて文献資料や映像資料などを通じて学びました。また、東京にあるアイヌ文化交流センターにも訪れるとともに、訪問予定の各地域に関する調べ学習なども行いました。その上で、現地学習は引率2名、4年生1人、3年生1人、2年生4人の計8人で、以下の日程で実施しました。

1日目 (8/18)、
11日目(8/28)
移動 (羽田空港⇔新千歳空港)

飛行機で出発

2日目 (8/19)
訪問先:義経神社・二風谷コタン・二風谷アイヌ文化博物館

二風谷アイヌ博物館の入り口

3日目 (8/20)
訪問先:萱野茂二風谷アイヌ資料館・二風谷コタン・沙流川

チプサンケ(儀礼)に参加

4日目 (8/21)
訪問先:シケレペ農場・二風谷ダム・二風谷コタン・二風谷アイヌ文化博物館

二風谷コタンを見学

5日目 (8/22)
訪問先:沙流川歴史館・ウレシパ・ノカピライウオロ ビジターセンター・新ひだか町博物館・真歌公園

ビジターセンター看板

6日目 (8/23)
訪問先:赤心社記念館・堺町生活館・浦河町立郷土博物館・返還された遺骨が眠る墓地

遺骨返還後の墓地を見学

7日目 (8/24)
訪問先:蓬莱山・新冠町郷土資料館・ウトナイ湖

新冠町郷土資料館見学

8日目 (8/25)
訪問先:慰霊施設・ウポポイ・シマフクロウの家

ウポポイの入口

9日目 (8/26)
訪問先:北海道大学・札幌市街地

北海道大学散策

10日目 (8/27)
訪問先:北海道博物館・開拓の村

開拓の村

2023年度秋学期の事後学習では、事前学習を土台とする現地学習での経験や交流について振り返り、参加学生各自の問題関心に沿ったテーマで調べ学習を進め、最終的な報告書の作成を行いました。以下、この北海道FSに参加した各自の感想について掲載します。

IS4年 Y.K.

北海道FSを通じて、「共生」の意義について深く考えされられた。「共生」とは意見や立場、民族などが自分違う人たちと上手に距離をとり、異文化を理解するここことが本来あるべき「共生」のかたちであることを学んだ。アイヌの人々の中でも性別や置かれている環境によって意見は様々で、一人ひとりのお話を伺うのも大切であり、アイヌのことについて知った以上、責任を持ってアイヌの現状や真実を伝える活動をしていきたい。

IS3年 M.M.

北海道FSを通して実際に自分の目や耳で物事の背景を見ることを学んだ。事前学習ではテーマに関する事を資料で調べ、アイヌの問題について動画で見たことで差別やアイヌのことを分かった気になっていた。現地では資料で見た場所に足を運ぶことや現地の方たちの話を聞くことで、誰が何のために何を伝えたいのかを考えることで当時の問題や現状を再認識することができた。この経験を活かしアイヌの現状や問題をどのように多くの人に伝えることができるのかを考えていきたい。

IS2年 M.K.

現地で学び経験することの大切さを学んだ。経験することで新しい視点や考え方が変わり、自分の学びの知識や引き出しが増えた。実際に北海道に行き、対話したことで文献だけでは知ることが出来なかったことを学び、無意識な決めつけや偏見が解消された。今回のFSで学んだことを留めていくのではなく、疑問に感じたことや学んだことについて知識を深めていきたい。これらのことを解決するためにも、多くの人に今回学んだことを伝えていきたいと思う。

PH2年 S.M.

北海道FSを通して、文献だけの学びで終わらせるのみならず、現地に赴き、見て、感じ、考えること、そして実際に話を伺うことの重要さを学んだ。少し遠い存在に思えたアイヌ民族と儀式に参加したことで同じ時を共有し身近に感じることができた。アイヌ民族の文化や権利など、一方の視点から捉えることは、無意識の差別につながることも実感した。現地の方々が権利回復や文化継承活動に取り組む姿を見て、現地で学んだことを他者に向け発信することも重要な責務の一つであると感じられた。アイヌ民族の方々が私たちと共に"今"を生きていることを伝えたい。

PH2年 C.N.

北海道FSを通して直接聞くことの大切さを学んだ。現地に着き儀式等に参加させていただきながらお話を伺うことで、目に見えない文化を知ることが出来た。同時に文章だけでは伝わらない偏見や差別も見えてくることが多くあり、聞いた話とは違うと感じる点があることから、自分の耳で聞くことが大切であると感じた。これからは、自分の聞いた話を様々な文化を持つ人々に届けたい。

JL2年 M.A.

事前学習では主に歴史を調べていた。きっかけは平和研究の授業で、研究者らが人類研究のために許可なく墓を暴き、遺骨問題が未だ解決していないと聞いたためだ。事前にみたアイヌと和人に関する歴史には、和人による一方的な「開拓」の数々があった。現地では、生々しい話をたくさん聞くことができ、現代でもアイヌ民族に対する「無意識の差別」と「上辺だけの理解」が残っているのだと強く感じた。そうした無知による偏見をなくすために、地域ごとに成り立ちの違う歴史について調べていきたい。