北海道FS報告③ アイヌの聖地、二風谷を訪れました

2021年11月30日 

私たち北海道/オーストラリアField Study(FS)クラスでは、Diversity, Reconciliation, Resilience, Spiritualityをキーワードに、北海道のアイヌ民族、オーストラリアの先住民アボリジニにフォーカスを当て勉強を進めています。今回、夏から延期をしていた北海道でのフィールドスタディを10月30日(土)~11月3日(水)にて実施しましたので、その報告を行いたいと思います。今日はFS3日目、11月1日の報告です。

11月1日

アイヌ文化伝承を目的に復元されたチセ(家)

私たちはこの日、北海道の二風谷(にぶたに)へ行きました。二風谷はアイヌ文化発祥の地であり、アイヌの伝統が色濃く残っているため、前日に行ったウポポイとはまた違った雰囲気で「神聖な場所」という印象を受けました。ここでは、アイヌ民族の貝澤さんからお話を聞くこともでき、アイヌについて知識を深めることができました。貝澤さんは「ウポポイは東京オリンピックのために作ったものだ」とおっしゃっていました。

世界中にアイヌ民族の存在は知れ渡っているのに、博物館などアイヌ文化を残そうとするものが何も無く、外国から見て日本が悪く映らないようにするためです。歴史的に考えればそう考えるのは納得できますが、私たちが実際にウポポイに行ってアイヌについて知ることができたという点で考えれば理由はどうあれウポポイができてよかったのではないかと考えました。しかし貝澤さんがいう通り、理由がオリンピックが開催されるからというのは悲しいことだと感じました。貝澤さんは他にも様々なことを教えてくださいました。まずは文化についてです。一つ目は食文化です。アイヌでは食物は主に乾燥させるそうです。乾燥した方が栄養があるというのもあり、特に春にとって乾かすニリンソウが一番重要だそうです。それを一家庭45リットルの袋に4つか5つほど用意して一年を過ごすそうです。

二つ目は生活文化です。アイヌ文化には文字がありません。それは言葉だけが文化ではないと考えているためだそうです。生活がわかってこそ、その民族の文化がわかってくるそうです。三つ目は儀礼信仰です。アイヌは狩猟や採集をするときには必ず塩や米を持って山に入り、それを撒いてお祈りをしてから狩猟採集をするそうです。二風谷にはこうしたアイヌ民族がかつて住んでいたチセ(家)がいくつもありました。とても静かな地域で近くにはダムもあり、景色が綺麗でした。紅葉も徐々に始まっており色合いも素敵でした。

湖!?かと思いきやダムでした~

こんなに素敵なダムですが、このダムにも歴史があります。二風谷の方々は、二風谷ダム建設時に裁判を起こしているそうです。始めは北海道終業委員会に訴えたらしいです。しかし日本政府・国交相が自ら被告になってきたそうです。しかし世界の先住民に関する条約に賛成しました。これはアイヌを先住民族として認めはしたが、権利派に止めなかったということです。二風谷では博物館や資料館に行き、アイヌ民族が実際に使用しているカパリミ(着物)やメノコイタ(まな板)、マキリ(刀)など様々なものが数種類展示されてありました。ウポポイとはまた違った雰囲気でアイヌの現実をより深く学ぶことができたと感じています。

また、アイヌ文化の一つでもある"アイヌ独特の文様"があり、それをコースターに掘っていく体験もしました。中でもラムラムノカ(ウロコの形を模したもの)を彫刻刀で掘るのが難しく、なかなか上手くいきませんでしたが、それぞれ個性のあるコースターに仕上がりました。

コースタ作り体験中

さらに、二風谷でゲストハウスを経営していらっしゃる萱野さんや長年二風谷で生活していらっしゃる貝澤さんのお二人にお話で「出どころをはっきりさせるべきであり、知ったことは広める。違っていって当たり前を理解する」という言葉が印象的でした。アイヌ文化の歴史や現状など、アイヌの方だからこそ聞けたリアルな思いを知ることができ、私たちがこれから学んでいく上でどうアイヌ文化を伝えていくか、今後の課題を見つけられました。

(国際社会学科3年 K.K、社会園芸学科3年 Y.M)

本クラスは当初は夏休みにオーストラリアに渡航し、アボリジニに関する学習を行う予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により渡航が出来るか定かでないことから、北海道のアイヌ民族とアボリジニの両項目を初めて学ぶこととなりました。もともと9月に北海道に訪問する予定でしたが社会状況からも延期になり、夏休みには実際にアイヌ民族の方からオンラインでお話を聞いたり、英語の文献も含め、アイヌ民族に関する本を読みディスカッションなどを行いました。今回は万全な対策の基に、実際に北海道を訪問し、フィールドスタディの目的でもある「自分の目で見て、肌で感じ考える」学習ができ非常に貴重で有意義な学びの機会となりました。プログラム実施に当たり、現地への移動を許可してくださり、サポートしてくださった先生方、事務の方々、そして引率のDa Silva先生、ありがとうございました。

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フィールドスタディはすべての学科の学生が参加可能です。

また、本学は「国際性」の分野で5年連続首都圏女子大1位の評価をいただいています。欧米やアジアで本学が実施する多彩な海外プログラムに加えて、コロナ禍において実施中の海外とのオンライン・プログラムについてこちらでご覧になれます。