シンポジウム・講演会

2017年度 恵泉女学園大学・大学院 国際シンポジウム

国際シンポジウム

日本と韓国で古来、大衆に愛されてきた語りの芸についてのシンポジウムである。まずはともに、瞽女歌、説教祭文、パンソリの一級の演者の口演を味わい、さまざまに語られる(世界を震わす女ども)の力と魅力を体感していただきたい。その上、芸能者自身が本来、「境界性」を背負う存在であったことに思いをはせたい。彼らが日常性や体制に抑圧されたものを言葉にし、調べに乗せることもできたのは、おそらく、彼らが古来漂泊の人であり、「越境」を重ねていく存在であったからであろう。そのことを考えるとき、これら語りの芸の持つ現代性も浮かび上がってくるはずだ。
こうした語りの芸の魅力を、実演と討論とによって改めて明らかにするというのが、本シンポジウムの目的である。

開催日 2017年114日(
開催時間 13時~16時(開場 12時30分~)
J202教室(J棟2階)入場無料

プログラム

第I部 口演

《ゾクゾク登場、世界を震わす女ども!》
~鬼になります、蛇にもなる、声に呼ばれて魔にも神にも変幻自在の語りの世界にようこそ!~

  1. 瞽女唄「山椒大夫 舟別れの段」
    萱森直子
  2. 説教祭文「日高川入相花王 天田堤段」
    渡部八太夫
  3. パンソリ「沈清歌 開眼の場」
    唱者:安聖民 鼓手:趙倫子

第II部 パネル討論

発題

姜信子(作家・元恵泉女学園大学客員教授)

ディスカッサント

萱森直子(瞽女唄) 瞽女唄(説教祭文) 安聖民(パンソリ)

コメンテーター

瀧口雅仁(演芸研究・恵泉女学園大学非常勤講師)

司会

佐谷眞木人(恵泉女学園大学大学院人文学研究科)

口演者

渡部八太夫(ワタナベ ハチタユウ) <説経祭文>

東京生まれ。小学校教員として東京の地芝居「二宮歌舞伎」の復活に関わり、子供歌舞伎創設のために邦楽(長唄、義太夫、説経節)の道に入る。 1997 年「小栗判官一代記」で初舞台。2005年薩摩派説経節家元十三代目若太夫を襲名。 2011 年 文弥人形 猿八座の座付き太夫として八太夫を名乗り、若太夫は廃業。現在は文弥節を活用して古説経、古浄瑠璃の復活上演に取り組むとともに、説経祭文の現代的再生に挑戦している。

萱森直子(カヤモリ ナオコ) <瞽女(ごぜ)唄>

「最後の瞽女」故小林ハルに師事、最後の弟子となる。同時に高田瞽女・故杉本シズにも教えを受け、長岡、高田、両系統の瞽女唄を直接伝授をうけた唯一の伝承者として後進の指導のかたわら全国各地で多数公演。「かつての瞽女の芸を風土や精神性とともに再現できる現代にまれな唄い手」として高い評価を得る。石川さゆり主演舞台のごぜ唄指導や毎日新聞「後継ぎの現状」・NHK「ジャパニーズソウル」など各メディアにもその活動がたびたび紹介されている。

安聖民(アン ソンミン) <パンソリ> 唱者

大阪市生野区生まれ。私立関西大学文学部史学・地理学科卒。1998年 韓国留学。2002年 漢陽大学音楽大学院国楽科修士課程修了。重要無形文化財第5号パンソリ「水宮歌」技能保有者・南海星先生に師事し、2016年履修者認定。2013年 第40回南原春香国楽大典・名唱部にて審査員特別賞受賞。2016年「水宮歌」完唱公演。

趙倫子(チョ リュンジャ) <パンソリ> 鼓手

大阪府大東市生まれ。韓国東亜大学校日語日文学科修士課程修了。
2008年より民族文化牌マダンにて活動。主に楽士担当。

姜信子(キョウ ノブコ) パネル・発題者

作家。横浜生まれ。主な著書に『棄郷ノート』(作品社)、『ノレ・ノスタルギーヤ』『ナミイ 八重山のおばあの歌物語』(岩波書店)、『はじまれ 犀の角問わず語り』(サウダーブックス+港の人)、『生きとし生ける空白の物語』(港の人)、『声 千年先に届くほどに』『妄犬日記』(ぷねうま舎)、『平成山椒太夫 あんじゅさまよい安寿』(せりか書房)など。路傍の声に耳傾けて読む書く歌う旅をする日々。

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