ヨーロッパ

パルテノン神殿(ギリシア)

2011年09月26日

恵泉に行くスクールバス乗り場に向かう時、目の前にひときわ大きいパルテノン多摩と呼ばれる建物が目に入ります。通称パル多摩と学生たちは呼んでいますが、正式名称は多摩市立複合文化施設です。これは1987年に建設されたもので、その外観がギリシアのアテネの丘の上に立つ世界文化遺産パルテノン神殿に似ているのでこの名がつきました。本物のパルテノン神殿は紀元前5世紀に建立され、アテネのアクロポリスの上に建っています。

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ヴェネツィアとその潟(イタリア共和国)

2011年08月02日

今なお人々が日常的な暮らしを営む町のなかで、ヴェネツィアほど特異な場所はない。100を超える小島から成り立つ都市内部には大小の運河が張り巡らされている。自動車の運行は禁止され、徒歩でなければ移動はもっぱら船による。黒塗りのゴンドラに乗るのは観光客で、実用目的には水上タクシーの役割を果たす小型モーターボートや、バポレットと呼ばれる乗り合い船舶が用いられる。郵便配達、救急救助などに用いられるのもモーターボートである。

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ファウンテンズ修道院とスタッドリー・ロイヤル庭園(イギリス)

2011年05月31日

北イングランドの古都ヨークから西北に約30kmの緑豊かな田園地帯にファウンテンズ修道院とスタッドリー・ロイヤル庭園はあります。浅い谷を流れるスケル川という小さな川に沿って修道院と庭園は造られています。2つの施設は隣接していて、今は323ヘクタールの広さのひとつの庭園に含まれています。ファウンテンズ修道院はイギリス最大の修道院遺跡として、またスタッドリー・ロイヤル庭園はイギリスでは稀な水の庭園として重要な意味を持っており、1986年にイギリスの歴史的施設としてユネスコの世界遺産に登録されました。英語ではFountains Abbey and Studley Royal Water Gardenと書きます。この修道院を含む庭園は、現在はイギリス・ナショナルトラストの所有となっており、年間30万人を超える来訪者があり、トラストが所有する全施設の中で最も訪れる人が多い人気の庭園です。

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ファウンテンズ修道院

ブレナム・パレス(イギリス)

2011年05月25日

パレス(宮殿)という名であるが王宮ではなく、モールバラ公爵家が代々暮らしてきたイギリス貴族の館(「カントリ・ハウス」)である。オックスフォードの近郊ウッドストックに位置する。壮麗な建造物を広大な庭園が囲むのは、カントリ・ハウスならではの姿である。著名な造園家ランスロット・ブラウンが、1760年代に大改造を加えて今の庭園の姿になった。改造によって川がせき止められて湖となったといわれるが、川を遡ってみると滝が落ちていたりする。ブラウンの仕事は「あまりにも見事に自然を真似たものだから、彼のしたことは自然そのものと思われてしまうだろう」と評されたそうだが、まさにそうした風景式庭園の典型と言える。

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フィレンツェ歴史地区(イタリア共和国)

2011年05月23日

1436年に執筆されたイタリア語版『絵画論』の序文で、レオン・バッティスタ・アルベルティはフィレンツェの芸術文化の高揚をたたえ、古代人に勝るとも劣らぬものと称賛した。ルネサンスの人々とっての古代とは、古代ギリシア・ローマのことであり、その文化は当時の教養人にとって目標とすべき対象であった。ゆえに、古代の文化と比肩するという評価は、同時代の芸術家にとって最高の賛辞だったはずである。

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フィレンツェ全図