アイルランド協定留学レポート 派遣留学生の声:アイルランド

2023年03月07日 投稿者: 英語コミュニケーション学科3年 坂田未来

大変だった点

日本とアイルランドとの生活様式の違い、そして私の人見知りな性格のため、最初は現地の方と話すのが大変でした。

ジャガイモ料理が中心になった家の夕食

食べ物も大変で、アイルランドで食べるご飯は、昼食も夕食も毎日ジャガイモ中心でした。
アイルランド人の先生も「アイルランドの食べ物はじゃがいもしかなくて退屈!」となげかれるほど。代わり映えしないジャガイモの料理を前に、日本食が恋しく感じる時もありました。

お風呂はシャワーしかありません。
私以外の留学生も同じだったのですが、ホームステイ先の家のルールにより、毎日シャワーは15分間だけで、足の疲れが取れません。湯船があるお風呂が本当に入りたかったです。

最初の頃は、英語がちゃんと通じるのかが不安で、クラスメイトとの会話が弾まない時期がありました。それを見かねた先生から「完璧な英語じゃなくてもいいから話す勇気を出しなさい」と言われ、それがきっかけで吹っ切ることができたように思います。

クラスの友人たちも、英語を学びに留学しに来ているわけで、完璧な英語を話している人などいません。今振り返ってみると、もっと早くからクラスメイトと友達になっていれば良かったとも感じます。お互いに間違いを指摘し合う中で、語学力は向上していくのだと気づかされたわけですから、この時頂いた先生のアドバイスに感謝するばかりです。

嬉しかったこと、得た経験

なんと言っても、クラス替え後も、前のクラスの友達と一緒に遊びに行ける仲になれたことでしょう。先日、帰国する元のクラスメイトの「お別れ会」に行きました。
5カ国の多国籍なクラスだったので、会話はもちろん英語です。留学当初は途切れ途切れだった会話が、今では途切れずに肩の力を抜いて会話できていることに自分たちの成長を感じました。
また、単に英単語だけを覚えるのではなく、先生や友達との会話を通して実際に使う英語のフレーズも覚えることができたようです。
留学前までは、紙面での勉強が多かったのでインプットはできてもアウトプットはできずにいたように思います。
しかし、この6カ月間、学んだ文法や単語を会話内でどのように使うのか考えながら話すことが多く、紙に書くだけの勉強よりも英語が確実に身についたと感じます。

放課後のクラスメイト(左からメキシコ人、本人、中国人、メキシコ人)

この半年を振り返って、高校生に最も伝えたいこと

自分の限界を突破するのに留学はとてもいい機会だと思います。
国内でも英語は勉強できますが、留学に参加すると国外の友人を作ることができるし、自分と違う価値観を持っている人と関わることで視野を広げることができます。
実際、私はこの半年間で以前に比べて柔軟な考えを持つことができるようになったと思います。また、国内で英語を学ぶ際、文法や語彙は勉強できても、スピーキングは国外の友人を作り、話すことが、コミュニケーションとしての英語学習には大切です。
自分の英語でどこまで通じるのかのチャレンジにもなりますし、例え拙い英語しか話せなくても相手も同じく英語を学んでいる友人ですから緊張する必要もありません。お互いに間違いを指摘し合って話すことは確実に勉強になるばかりか、他国の人々の考えに触れる絶好の機会です。
留学での経験は何事にも変えられない特別な経験になります。思い立ったが吉日。少しでも興味を持ったなら思い切って行動してみるのがいいでしょう。

留学の必要性

留学は実践的な英語を学べるだけでなく、異文化理解が深まり、日本とは違う生活を通して、日々挑戦を続ける中で、自分の自信向上につながります。
ただ留学に行くだけでは語学力は上がらないのも現実です。目標を決め、積極的に英語で話すこと。また、日常的に少しの準備を習慣づけることで留学生活は変わってきます。
誰かに教えてもらった通りに行動するのでなく、主体的に行動できる場、しなければいけない環境が留学で、だからこそ自分の成長を助けてくれるのだと今は感じます。

慣れない環境に飛び込んで生活することに不安を抱いてしまうかもしれませんが、自分の前に立ちはだかる壁に挑戦する力や勇気が身につきます。人見知りで初対面の人と仲良くなるのが難しいと感じる人ほど、自分とは違う価値観の人と関わりを持つ留学体験が大切になるのではないでしょうか。

ダブリンの様子

ダブリンはアイルランドの首都で、他の都市に比べ都会的ですが、日本と比べた場合、圧倒的に自然が身近な街です。登下校中に、犬と散歩している人や、いくつもある広場で子供が遊んでいる姿を日常的に見かけます。サッカーが人気で、サッカーゴールが様々な場所に設置されているため、子供も大人も関係なくプレーする光景をよく目にします。
また、BGMのように聞こえる様々な鳥の鳴き声が、心を落ち着かせてくれますし、早朝、窓から外を見てみると庭に野良の狐を見ることができたりするのです。

どの住宅地にもある広場は人々の交流の場所

シティセンターには博物館や美術館があり、知的好奇心と文化への欲求が刺激されます。
それだけでなく、DCUの中にもバーがあるくらいアイルランド人はお酒を飲むことが好きで、パブやバーがたくさんあります。週末になると昼間からお酒を飲んでいる人をよく見かけます。面白いのは、お店やカフェの閉店時間が18時ごろととても早いこと。理由を尋ねたところ「暗くなる時間が早いから」という理由のほかに、店員さん達も飲みに出かけたいからだそうです。

シティセンター内にあるテンプルバー

アイルランド英語の面白い英語のフレーズ

アイルランドの気候は1日のうちに何度も変わります。また、雨の日がとても多く、小雨の時もあれば、土砂降りの日も少なくありません。
さて、そんな時に使われるイディオムがこちら、"raining cats and dogs". この表現はアイルランド独特な言い回しです。そのまま訳すと「猫と犬の雨が降っている」になってしまいますが、意味は「非常に激しい雨」。猫と犬の組み合わせのイメージっていつも喧嘩している様子が浮かびますよね。そのため"raining cats and dogs" が猫と犬の喧嘩のように「激しく雨が降る」という形で使われているのです。

アイルランンドの食生活レポート

ジャガイモ料理が中心になった家の夕食

アイルランドの料理はジャガイモ中心。ホームステイ先の夕飯も1週間のうち5日ほどマッシュポテトやフライドポテト、時にはジャガイモがそのまま出てくる日もあります。アイルランド・グルメとして有名なアイリッシュ・ブレックファストはボリューム満点で朝食というよりもブランチとして食べることが多いのです。一度、中心街のカフェで朝食を食べようとしたところ、どのカフェも朝10時くらいから混み始め、お昼過ぎまでピークが続いていました。また、日本食と異なり、毎食ワンプレートにおかずや主食を乗せた形で食べられています。

DCU内のレストランでは、ハンバーガーやパニーニ、ブリトーなどの軽食も売られていますが、中華料理と日替わりメニューのランチが人気で、いつもたくさんの人が並んでいます。
毎週金曜日になると、大学でもアイルランド名物の「フィッシュ&チップス」が食べられます。校内のコンビニでは手作りのピザやナチョスが頼め、日本ではなかなか見かけない料理も体験することができるのです。

世界遺産「ジャイアンツ・コーズウェイ」

ジャイアンツ・コーズウェイという北アイルランドに位置する観光地に訪れた時のこと。参加したツアーには、ベルファストのタクシードライバーによる市内観光、ダンルース城の見学、ジャイアンツ・コーズウェイへの観光という3つがセットになっていました。
ジャイアンツ・コーズウェイとは、世界遺産にも登録されている海岸です。そこには六角形の石が積み重なった崖があり、あまりにも人工的に作られたように見えることからジャイアンツ・コーズウェイ(巨人の石道)と呼ばれることになったそうです。

ツアーガイドの方の説明によると、六角形の石ができた理由は「アイルランドの伝説の巨人フィン・マックールが、スコットランドに住む巨人と戦うために石の投げ合いをしたところできた形」だとのこと。
アイルランドに伝わる巨人伝説が、本当なのではないかと信じられてしまうほどこの場所は不思議で、素敵でした。