韓国 梨花大学に留学している学生から現地レポートが届きました。 派遣留学生の声:韓国

2016年07月15日 

韓国に来て5か月が経ち、留学生活も残すところ20日ほどになった。帰国したらやりたいこともたくさんあるが、実際に帰国したらきっと韓国での生活が恋しくなるだろう。残された時間を少しでも充実したものにしたい。

私が留学している梨花女子大学では最近大きな出来事があった。それは大学側が新しく提案した「未来ライフ大学」に対してのデモだ。未来ライフ大学とは、高校を卒業して社会人になった人や30歳以上の人を対象とした新しい課程で、来年2017年度から150人を受け入れるというものだ。梨花女子大学は韓国最高の女子大ともいわれているが、新設される未来ライフ大学でも同じ梨花女子大学の学位を取得できるため、そのブランド価値が下がってしまうのではないかと懸念されている。そのため在校生だけでなく卒業生たちによる座り込みデモも行われた。私はその現場に遭遇することはなかったが、休暇中にも関わらず学校のいたるところに未来ライフ大学に反対する張り紙がされてあった。特に目を引くのは正門に張り出されている卒業証書のコピーと署名だ。10メートル以上続いて張ってある卒業証書には「RETURN」と赤字のスタンプが押されており、これは卒業生たちが抗議したものだ。反対側の署名は全部で25,263名も集まっており、その内訳は在学生2,962名、卒業生12,269名、保証人2,381名、その他である。大学構内では座り込みや反対活動のためにマスクで顔を隠した学生たちが集まっている。座り込みデモでは警察との衝突もあり、打撲などのけがを負わされることがあったようだ。

わたしはこの出来事を受けて、韓国の学生と日本の学生の母校愛や学校への関心度合に差を感じた。日本の学生や私の周りの人たちは学校に対してデモを起こそうという発想やデモにより学校が何か考えを変えるかもしれない、とは考えていないようだ。しかし韓国では実際このようなデモが起こり、注目も集めている。また在学生だけでなく卒業生の大きな反発やデモへの参加にも驚いた。

私個人の最近の出来事としては、中間テストがあった。3級にあがってから単語や文法が増え、明らかに難しくなった。中でも不得意ではないと思っていた作文のテストが一番できず、今までの勉強方法を見直さなければならないと感じた。試験の合格ラインはクリアできたが、次回の最終試験ではもっといい点数をとれるようにしたい。

また、こちらに来てからも一向に上達しない発音に問題を感じていたため、週に1回ある発音クラスの中級へ登録した。ここでは不規則な発音などを詳しく学べる他、宿題として自分の発音を録音し、先生に提出するというものがある。授業前後に1回ずつ自らの発音を録音するのでどこがよくなったか比較して理解できるし、先生からのフィードバックも受けることができる。やはり学習者の国ごとに発音しにくい音、しやすい音があるため、そこを詳しく知ることができ、日本人らしい発音を抜け出すコツなどが学べる。追加授業になるが登録してよかったと感じている。

韓国で過ごしたこの5か月のうちに自分でも気づかないほど、たくさんのことを聞き取れるようになったし、一人で物怖じせずできることが格段に増えた。最初のうちこそ、韓国の文化も言葉もよくわからないことが多く、弱気になったりそのまま流してしまうことがあったが、言葉がわかるようになっただけでこんなにも世界が変わるのかと実感した。  来月の報告書は日本で書くことになるが、留学が終了しても興味のあることに挑戦し自分の世界を広げていきたい