市民社会組織(CSO)の開発効果向上に関するアジア地域会議に参加してきました

2010年12月07日 

12月3日から2日間、香港で行われた市民社会組織(CSO)が行う開発協力の効果についてのアジア中東地域会議(Asia and Middle East Regional Conferenceon CSO Development Effectiveness)に参加してきました。

現在、開発協力活動は政府が行うもの(政府開発援助)、国連など国際機関が行うもの、NGOなど市民社会組織が行うもの、企業などビジネスセクターが行う社会貢献活動など、多種多様で百花繚乱の様相を呈しています。 しかし、それらは互いに調整しあうこともなく、自由勝手に行われていることもあって(政府や国連の活動は、ある程度の調整はあります)、全体としてあまり効果を上げていないのではないかという議論があります。 このことから2005年、国際社会は開発協力活動の調整や相互の説明責任の向上など5つの原則を『パリ宣言』としてまとめ、2008年にアフリカのガーナで『アクラ行動計画』を策定して、効果の向上を図ってきました。 CSOが行う開発効果(Development Effectiveness)の向上に関する議論は、この流れの一環です。

ご存じのように途上国でも自分たちの生活の改善に取り組む多くのCSOが育っています。 その規模は、フィリピンやタイでは数万、インドでは100万団体を超えるなど、日本のそれを遙かに凌駕しています。 すでに開発協力における最も重要なアクターになのです。その一方で、彼らの活動環境は決して望ましいものではありません。 強権的な政府の下で結社や表現の自由が制限されている国もあるし、長期にわたる地域紛争のために政府がNGOに国防省への登録を義務づけている国もあります。 市民社会組織が自ら活動の効果を高める努力をすることは当然ですが、本当に開発の効果を上げたいなら、政府や日本などの援助国にもCSOが活動しやすい環境を整える責任があります。 実は、アジアのいくつかの国では市民社会組織に対する政府の姿勢は厳しく、今回のアジア会議でも、そうした政治状況を市民社会同士が協力し合って変えていこう、 そのためにもCSOの開発効果に関する議論を深めていこうという声がたくさん聞かれました。

私たちが国際協力としてできることは、モノをあげたり、技術協力するだけではなく、現地のCSOが活動しやすい環境を整えるという活動も重要なのです。 日本の国際協力のあり方について、政府(外務省)と定期的に話し合っていますが、今後も機会あるごとに途上国の市民社会の声を伝え、 活動環境を整えるための働きかけを行っていきたいと思います。

高橋 清貴(平和構築論)

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